会計不正問題に関する第三者調査委員会報告を受けた弊団体の取り組みについて

2024年3月8日
特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
理事長 赤石千衣子

 弊団体は、2023年11月2日付「弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告」で公表しましたとおり、2019年度から2022年度の4年間で不正な会計処理により800万円を超える使途不明金が生じました。

 弊団体を信頼してご寄付をしてくださった寄付者のみなさま、またご協力・連携していただいている関係機関・企業のみなさま、何よりひとり親と子どもたちのみなさまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを改めて深くお詫びいたします。

 弊団体は、2023年10月に第三者調査委員会を設置し、事実認定ならびに組織的な原因の究明と再発防止策について調査と提言を求めました。2024年2月29日に調査報告書を受領しましたのでご報告いたします。

1.第三者調査委員会の報告書について

 まず、第三者調査委員会報告書の概要についてご報告いたします。第三者調査委員会報告書においては、会計不正問題の発覚からその詳細について分析、記述し職員Aによる意図的な隠蔽行為と推認できるとされています。

 また会計不正の原因については、弊団体の成り立ちやその後の事業展開を踏まえた上で、会計不正の原因として組織上の原因、会計実務上の原因についてご指摘いただきました。

 そして再発防止策の提言として、すでに実施している防止策の確認と実効性の評価とともに、さらなる防止策を提言いただきました。ご指摘いただいたことを真摯に受け止め、取り組み中の防止策について確実に実行してまいります。さらに、組織上の原因として指摘されている、ガバナンス・内部統制の改革についても速やかに行ってまいります。

 そして次項において、「当事者団体の強みと弱みを踏まえたモデル的な防止対策の実現を」という提言も踏まえた組織基盤強化のための今後の取り組みについてもご報告いたします。第三者調査委員会による報告書につきましては、以下をご覧ください。

SMF会計不正問題に関する第三者調査委員会報告書(PDF)

※本調査報告書につきましては、秘密情報および個人情報保護の観点から、個人名等、部分的な非開示措置を施しておりますことをご了承下さい。

SMF第三者調査委員会設置要綱(PDF)

2.第三者調査委員会の報告書を受けて

 弊団体は、第三者調査委員会報告書を待つ過程でも、その後同報告書により指摘された問題点、また提言に基づき、会計不正問題の再発防止、さらに団体の基盤強化に取り組んでまいりましたが、改めて、以下のように再発防止策の実施・検討状況についてご報告いたします。

(1)会計不正問題の再発防止策について

 2023年11月2日付「弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告」でお知らせしたとおり、法人全体の責任者である理事長、管理部門の監督責任者である事務局長の減給処分を実施いたしました。また同報告において伝えた、既に実施している再発防止策については第三者調査委員会に実効性を評価いただきました。第三者調査委員会の提言を受け、引き続き取り組みを徹底してまいります。

参考「弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告

(2)基盤強化のためのガバナンス・内部統制強化等について

 第三者調査委員会報告において、会計不正の組織上の原因の一つとしてガバナンス・内部統制の仕組みが整っていなかったとの指摘を受け、また再発防止策として、それらの整備・強化をすることが求められておりましたので、下記の取り組みを検討してまいります。また、取り組み状況について2024年6月の定期総会にて協議し実行計画をさらに推進して参ります。

ア:専門家の知見を取り入れた再発防止のための財務管理体制の構築

  • a. 管理体制の構築のために専門家(公認会計士等)を理事に迎える、公認会計士にコンサルティングしていただく等の方法を検討して参ります。
  • b. ガバナンス強化のために、監事による会計監査を刷新し強化いたします。その実現に向けた内部体制や監事の人材要件等について見直しを行ってまいります。

イ:専門家(会計士・税理士等)による定期的な確認体制の構築

  • a.  事務局による定期的な確認に加え、会計専門家による月次試算表の確認、財産管理の仕組みを導入します。また、今後、団体において不正や問題が生じた際の通報窓口等を整備します。

ウ:規程・規則等の内部文書の整備

  • a.  経理に関する規程を明文化した経理規程や、決裁権限を明文化した決裁権限規程等を整備しガバナンスに関する研修を計画します。

エ:今後の中期的な取り組みについて

  • a.  団体の中期ビジョンを職員全員参加のもと作成し、改めて団体のビジョン・ミッション・職員の倫理規定を練り上げます。ひとり親と子どもたちのための活動がより強固な体制で実施できるよう取り組みます。 
  • b.  また、第三者調査委員会は当事者団体の強みと弱みを踏まえたモデル的な防止対策の実現を提言しました。この提言を受け、弊団体のあるべき姿を議論し、強みを活かし弱みを克服する防止対策を検討していきます。

3.会計不正問題に関するその他の取り組みについてのご報告

(1)資金の回収および刑事告訴について

 該当職員は、2023年10月31日付で懲戒解雇となり、同日、2022年度の使途不明金については責任を認め、一部弁済を行いました。

 2024年1月9日に第三者調査委員会のヒアリングに応じましたが、帳簿不実記載については一切の説明なく、横領の事実は否認しています。

 第三者調査委員会報告でも、当該職員が意図的な会計不正の隠蔽を行った疑いについて言及がなされました。弊団体は代理人弁護士を通じ、引き続き弁済を求めていきます。また、刑事告訴については、2023年10月より警察署に相談し準備を進めており、第三者調査委員会の調査結果も参考にして、引き続き告訴に向けて準備します。

 なお、2023年11月2日付「弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告」においてお知らせのとおり、使途不明金802万7,603円につきましては理事長等により補填を行っており支援活動に支障がないように対処しております。

(2)会計全件確認と決算修正について

 第三者調査委員会で事実認定された帳簿の不実記載については、現会計担当により、2018年〜2022年の5か年について証憑と帳簿との全件確認を行っています。この完了後、決算を行い、総会での承認後、所轄庁である東京都に提出する予定です。

(3)認定NPO法人再申請について

 2023年11月30日、認定NPO法人の有効期間は終了し、現在はNPO法人として活動しています。今回の会計不正問題の再発防止策及びガバナンス・内部統制強化の進捗状況を踏まえ、改めて認定NPO法人の取得を目指します(2019年度から2023年度の5年間を実績判定期間とすることになった場合は、2023年度決算完了後の2024年7月以降に申請を行うことになります)。
 寄付者ならびに寄付企業のみなさまには多大なるご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。

 今回の会計問題は決して起こしてはならないことであり、深くお詫びをするとともに、この問題が起こった事実を原因から深く理解し、この組織を土台から作りなおす機会としてNPOとしてより確かな体制構築をしてまいります。

 ひとり親と子どもたちが生き生き暮らせる社会を実現するために、ひとり親と子どもたちを勇気づけ、社会で活躍できるように応援していくという、弊団体のビジョンとミッションは、その価値も必要性も変わりません。

 コロナ感染拡大以来、助けを求めるひとり親と子どもたちが急増し、現在も毎日のように連絡をいただきます。私どもの団体の使命と責任を自覚し、多くのひとり親と子どもたちを支援する事業を行ってまいります。



※なお、全国各地には、「しんぐるまざあず・ふぉーらむ〇〇〇」のような団体がございますが、弊団体「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京都千代田区)」とこれらの団体はそれぞれ独立の組織であり、今回の会計問題は、「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ」において起こったことですので、上記の団体とは無関係であることを付記いたします。