2023年度活動報告会をオンラインで開きました
しんぐるまざあず・ふぉーらむの2023年度活動報告会を7月11日午後7時から、オンラインで開催しました。
160人からお申し込みをいただき、当日のオンライン参加は68人でした。
録画視聴は1週間限定配信で146回のご視聴がありました。
赤石千衣子理事長は2023年に公表した弊団体の会計不正に関し改めてお詫びをしたあと、「2023年コロナが終わったところで物価高が続き、ひとり親家庭の子どもたちの生活の困難が続いています.お米を買えなかった家庭、子どもにお弁当を持たせられなかった家庭など、想像を絶するような苦境が続いています。不登校のお子さんも増えています。そこで私どもとしてはこの方達をまずはご支援するために、食料支援や新入学お祝い金の事業を続けて参りました」と開会の挨拶を述べました。

報告会では冒頭、昨年の夏休みに実施したアンケートから、ひとり親の実情をご紹介しました。
末の子どもが昨日一日何食食べましたか?という問いに、4割が「2食」、4%が「1食」と答えています。
夏休み、子どもを連れてどこかに遊びに行く予定がない、という家庭が45.3%もありました。
電気代節約のためエアコンを点けず、食事もとれず、遊びにも行けない。「夏休みなんてなければいいのに」と痛切な声が上がっていました。
今年の夏も猛暑やきびしい生活の状況が続くと予想されます。
団体のミッションは「シングルマザーと子どもたちが生き生きと暮らせる社会の実現」です。
ミッション実現に向けた5つの柱、「生活支援」「相談支援」「就労支援」「調査・政策提言」「他団体支援」に沿って、2023年度の事業をパワーポイントでご紹介いたしました。
食料支援や新入学お祝い金、マイ・ブック・プレゼント、親子イベントなどでは、受け取った親と子どもたちの声を読み上げました。
就労支援についても、受講生であるひとり親の状況や感想をお伝えしました。
昨年公表した「会計不正」問題についても、理事の小森雅子より、改めて経緯をご説明しました。第三者調査委員会のご報告、ご提言を受けて団体が取り組んでいる再発防止のための取り組みの徹底について、会計体制の整備、団体の基盤強化も進めていることをご報告いたしました。
続いて、立教大学コミュニティ福祉学部の湯澤直美教授からコメントをいただきました。
「しんぐるまざあず・ふぉーらむの支援は具体的な取り組みを通して一人一人の声を拾い上げ、生活支援から相談支援へ、また相談支援から就労支援へとつないでいくところに特徴があります。また個人の問題ではなく社会を変えるために政策提言をし、他団体支援にもつなげているところが意義深いと思います」

2002年の母子福祉改革で、自立支援に主眼が置かれるようになりましたが、女性の就労は非正規、低賃金のまま。
湯澤教授は「自助努力にも限界があり、構造的な問題を解消するネクストステージに向かうべきです」と話しました。
ひとり親とその子どもを支援するために中長期的に取り組むこととして
・セーフティネットとしての生活保護の活用
・児童扶養手当を物価高に見合う形で増額
・養育費や同居の祖父母、就労した上の子の収入を、世帯収入に算入しない
などの措置を求めていく必要がある、と話しました。
地方自治体の先進的な取り組みの例として、
・東京都中野区が別居中の実質ひとり親家庭に独自で10万円を給付
・さいたま市が養育費立て替え払い制度を導入
・山梨県富士吉田市が夏休みの学童保育で昼食(弁当)を提供
を挙げました。
また今年が多くの自治体にとって、ひとり親家庭等自立支援計画の改定時期にあたることから、パブリックコメントなどで声を届けることも大切だと、ご提案をいただきました。
参加者への事後のアンケートでは、「食料支援」「政策提言」「就労支援」に関心が高く、具体的な提案もいくつかいただきました。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
みなさんからいただいたご意見は、今後の活動に活かして参ります。