ひとり親家庭サポーター養成講座を9月21、22日に開催いたしました

今年度の「ひとり親家庭サポーター養成講座」を9月21日、22日にオンラインで開催いたしました。21日は41人、22日は29人が参加しました。

しんぐるまざあず・ふぉーらむのサポーター養成講座は当事者の視点が入っているのが特徴です。
過去20年間で1000人を超える方が受講し、各地で支援者として活動しています。今回も自治体やNPOの職員、これから支援を考えている人など、様々な立場の方が受講されました。

最初に、しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長から「ひとり親家庭の現状と支援」について話しました。2021年の国の調査によると、ひとり親世帯は母子が119.5万、父子が14.9万。ひとり親になった理由は離婚が79.5%を占め、未婚が10.8%、死別が5.3%です。日本のひとり親の特徴は就業率が高いが、年間就労収入が低いこと。しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査から「がんばろう」と「落ち込む」の間で揺れるシングルマザーの姿が見えてきました。赤石理事長は「支援者は助けてといいやすくする工夫を」とアドバイスしました。

社会福祉士でキャリアコンサルタントの丸山裕代さんは、就労支援、ライフプラン、教育費について講義しました。20年先を見据えたライフプランを支援者が一緒に作成することで、子どもにお金がかかる時期を明確にすることができます。支援制度や奨学金などについての情報も提供しました。

金澄道子弁護士は「日本の離婚手続き・非婚の母の手続き」について話しました。法改正で2年後に導入が決まった共同親権について、親権の範囲などを説明。また、面会交流や養育費の取り立てがどのように変わるかについても解説いただきました。

2日目は公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの今井悠介代表理事による「教育格差、体験格差の解消を目指す取り組み」について。「子どもの教育格差は放課後、塾や習い事に行けるかどうかで生まれている」「小4までは体験格差の方が深刻」などをデータで示し、教育格差をなくすための「スタディ・クーポン」、体験格差をなくすための「ハロカル」などの事業実践を紹介しました。

また、NPO法人レジリエンスの西山さつきさんはDVやトラウマからの回復支援のポイントを伝えました。被害者の「人に言えない」「自分でも認められない」という心理特性を理解し、DVと決めつけずにヒアリングをすることが大切です。

午後の後半は、グループに分かれて事例検討を行いました。架空の事例に基づき、どのようなニーズや強みがあるか、社会資源としてどのような機関や団体があるか、など意見を出し合い、多様な支援ができるように学びを深めました。

どの講座も2時間の長尺にもかかわらず好評で、終了後のアンケートでは、「すぐにでも実践に生かせる内容ばかりでした」「ひとり親家庭の状況についてバランス良く学ぶことができました」など、前向きなお声をたくさんいただきました。

ご参加いただきました皆さま、お疲れ様でした!