6月19日「子どもの貧困対策法」10周年記念集会〜ひとり親と子どもたちに安心と希望を!

子どもの貧困対策法の成立からちょうど10年になるのを記念して6月19日、参議院議員会館でしんぐるまざあず・ふぉーらむ、シングルマザーサポート団体全国協議会を含む、子ども子育て支援に取り組む16団体が集会を開き、困難を抱える子ども・若者への施策拡充を訴えました。

小河光治:公益財団法人「あすのば」代表理事

子どもの貧困対策法10年。当時、すべての国会議員の人が賛成し、小さく産んで大きく育てようという法律で、沢山の施策が行われてきた。低所得世帯の高等教育の無償化、婚姻歴のないひとり親の公平な税制、そしてコロナ下においてはふたり親も含めた給付金を支給していただくなど、本当にありがたいことばかりです。

一方で、コロナ禍そして物価高、光熱費高騰の中、子ども若者の貧困は深刻になるばかりです。514人もの子どもが自殺をしなければならない実態があります。

来年の通常国会ではぜひ、2回目の子どもの貧困対策法の改正をお願いしたい。いま、予算編成でも異次元の少子化対策ということではありますが、子どもの貧困対策をその最終課題としていただきたい。

田村憲久衆院議員:子どもの貧困対策推進議員連盟会長

10年たって、課題が解決しないどころか、コロナで子どもの貧困は増えている。少子化対策、子育ての基本は困難を抱えている子どもたちが困難をしっかり乗り越えられるような社会環境がないことにはできないと思っている。5000億円の上積みに子どもの貧困対策が入ったのは、我々の声が政府に届いたということ。貧困対策が進んだよね、という形を政治の場から作っていきたい。

渡辺由美子:こども家庭庁長官

一時的な対策からどうやって恒久的なものにしていくかという課題認識をもっている。子ども政策の大きなビジョンとして子ども自身の意見も聞きながら、『こども大綱』を作っています。子ども政策が目指す大きな将来像の柱の一つとして、どのような状態にあっても子どもが健やかに育つという安心感がある社会を掲げました。今後も、子ども、子育て当事者、民間団体、地方団体との連携を強化していきたい。

 

高校生・大学生の当事者による体験談

続いて、高校生・大学生の当事者がそれぞれの体験を話しました。

Aさん:NPO法人「キッズドア」の支援を受けた私立高校3年の男子生徒

私の家庭は経済的に困難な状況、ひとり親家庭できょうだい3人とともにすごしてきました。自分はみなさんからご支援をいただいて今がある。でも支援を受けられない家庭が多くある。そうした家庭にもご支援を拡充していただきたい。団体への支援を増やしていくということが最優先かもしれません。団体が経済的な面で困難な状況に陥っている。政府・行政が連携して、子どもの貧困問題をぜひ解決に導いていただけたら思います。

Bさん:NPO法人「キッズドア」の支援を受けた女子大学生

わが家は父からの経済的暴力、言葉の暴力を受けて(両親が)別居をし、1年9ヶ月が経ちますが、未だに離婚裁判中です。父が離婚に応じず婚姻関係が続いてしまっているため、母子家庭手当が受け取れず、公営住宅にも入居できず困窮しています。

昨年は、母子家庭世帯であれば応募できるキッズドアの給付型奨学金や、東京都の受験生チャレンジ支援貸付、コロナ禍の特別給付金に支えられ、無事に大学進学することができました。

でも、母子家庭と変わらない状況であるにもかかわらず、離婚が成立していないと十分な支援が受けられない実情に苦しんでいます。給付型奨学金も離婚を条件とするものが多く、応募できないことがありました。

この経験から、役所と家庭裁判所を連携させ、目に見えないDVに苦しんでいる人やDVを証明できず困窮しているひとり親家庭に証明書を発行できるようにし、支援を受けられるようにする活用を求めたい、そして、役所での手続きの一元化も求めます。

Cさん:「あすのば」の子ども若者委員会の女子大学生

こども家庭庁が、<こどもがまんなか>というように、子ども若者委員会では<子どもがセンター>と考えてきました。その上で、私たちが考える子どもがセンターとは、自分の居場所を自分で選択できる状態。具体的には子どもが自分の居場所を選択する際に、大人が情報を制限したり、選択肢を狭めたりするのではなく、子どもが選択できるまで寄り添い、情報を提供できる状態と思っています。

Dさん:「あすのば」の子ども若者委員会の女子大学生

私は社会的養護出身で、いま社会福祉や児童養護について勉強しています。何年にもわたって複数の一時保護施設を転々としてきました。一番初めの一時保護の際は、私は、知識もなく、両親の家に戻りたくなかったものの、他の選択肢がわかりませんでした。担当の児童福祉司に尋ねたところ、「家に帰りたくなければ、高校をやめて一人で働いて自活しなければならないよ」と言われ、どうしても高校に通うことを諦めたくなくて、一時保護を解除して家に帰宅することに同意してしまいました。

帰宅後、家庭の状況が悪くなり、高校を退学。最終的に年齢制限ぎりぎりで社会的養護に措置されました。施設では多くの高校生がいたため、疑問に思い、施設の職員に尋ねたところ、施設に入る際に高校をやめる必要はない、と教えてもらいました。

その時は、絶望しました。当時の児童相談所が私を家に帰す前提で動いていたために、家庭以外で生活する選択肢を提示せず、施設から高校への通学についても正しい情報を伝えてもらえなかったのではないかと考えています。

2人は「子ども自身の(居場所の)選択権はすべての子どもに開かれるべきです」とまとめました。

高山優樹さん:静岡大学2年/こどもまんなか静岡代表

これまで生活困窮支援の子どもたちへの学習支援活動を他団体で行ってきました。

そこでは子どもたちの声が社会へと届かないという現実がありました。大人からすると子どもの声は机上の空論なのかもしれません。しかし、こうした子どもの声を大したことのないわがままととらえるのではなく、社会に広く届けられなければならないと考えます。

今回、<こどもまんなかの波>は地方に届いていないと感じ、地方発信で子どもまんなかのアクションを起こそうと考えています。すべての子どもが意見を表明できる機会があることが大事。大きな会議を開いてそこに参加した子どもから意見を聞いたといって終わらせるのではなく、人前に出ることができない子どもや、国の施策に届かない子どもの意見も十分に取り入れられる体制づくりが求められていると感じます。私は地方発の取り組みによってそうした体制づくりのモデルケースを静岡市でつくり、すべての子どもの意見が取り入れられる仕組みを考えていきたいと思います。

 

自民党母子寡婦福祉対策議員連盟の会長も務める永岡桂子文部科学大臣もあいさつに立ちました。

永岡桂子文部科学大臣:自民党母子寡婦福祉対策議員連盟会長

戦争未亡人の福祉からスタートした議員連盟だけど、お父さんも含めたひとり親議連として仕事をしています。行政の連絡の不行き届きで辛い目にあった方がいらっしゃるときき、なんとかしなくてはと思っている。

平成24年に、ひとり親の就業の支援に関する特別措置法ができた。そのとき、自民党は野党だったが、がんばってこの政策を作れたという気持ちがしている。お父さんもお母さんも貧困だから大変というのでなく、自立して子どもとともに生き抜いていくスタートがとれたのかなと思っている。

その後、令和2年になると未婚の一人親に対する税制上の措置、および寡婦控除の見直しにもがんばらせていただいた」とこれまでの成果について話しました。コロナ禍では、非正規サービス業の多い、ひとり親家庭が大きな影響を受けていたため、低所得の家庭に対する特別支援給付金の支給も実現しました。

今は文科大臣という立場から、すべての子どもが安心して学び、育てる環境作りを行うことが、大変重要だと思っています。

具体的には、幼児期から高等教育段階まで切れ目なく教育費の負担軽減、貧困による教育格差の低減の場、教員の加配、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置の充実など学校をプラットフォームとした子どもの貧困対策、小中高校生への学習支援の充実、高校中退者への学習相談、学習支援など地域の資源を活用した子どもの貧困対策などの施策を想定しています。

今後もすべての子どもたちがそれぞれの夢に向かってチャレンジできる社会の実現に向けて、関係省庁と連携をしながら、子どもが幸せに生活できるように全力で取り組んでまいりたい。

下村博文衆院議員(自民):子どもの貧困対策推進議員連盟顧問

私もあしなが育英会の出身。高校大学とあしなが育英会の奨学金の貸与を受けて卒業した人が13万人。交通遺児から病気遺児、災害遺児へと対象が広がっている。私は9歳の時に父が交通事故で亡くなり、極貧の生活を送ってきた。どんな貧困家庭の子どもでもチャンスが提供できるような日本社会でなければならない。先日、岸田首相に教育の無償化にスピード感をもって取り組んでほしいと申し上げた。

集会のハイライトはケーキカット。子どもの貧困対策法の誕生日を祝い、「10周年おめでとう」という文字が描かれた手作りのケーキに、若者たちと国会議員が共同でナイフを入れました。

  

支援団体代表によるリレートーク:前半

その後、支援者から見た子ども若者の貧困対策についてリレートークがありました。登壇者はフリップを持って集まりました。それぞれの発言は次の通りです。

高橋亜美:アルターケア事業全国ネットワークえんじゅ代表理事

児童養護施設を巣立った子どもたちの多くが巣立った後も、家族を頼ることができません。無理矢理背負わされた自立という重圧の中で生活を担っています。失敗することも立ち止まることも許されない暮らしを強いられています。

社会的養護を必要とする子どもたちの背景に虐待や深刻な貧困があります。

子ども期の生い立ちによって、大人になってからも生きていくことが苦しいという人の存在を支援の場で知っています。子どもたちが安心して生きていける仕組みや制度を作ることは、この社会に生きるすべての幸せにつながると信じています。苦しい子ども時代を生きてきた人の声を大切にする社会を何が何でも作っていきたいです。

根岸親:NPO法人ライフリンク副代表

自殺は個人の問題のみならず、社会的な問題と考えて、活動に取り組んできました。
日本で自殺者は減少していますが、子どもの自殺は増加傾向で、昨年は500人を超え、過去最多となりました。
私自身も関わってきた関係者として責任を感じているところです。
こどもまんなか社会のまんなかに穴が開き、400人、500人の子どもが毎年自殺に追い込まれている。根本的にその穴を埋めていきたい。

大西連:NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事長

私の支援現場でも毎週のようにお子さん連れで食料を受け取りに来られる状況が続いています。コロナが落ち着いたといわれる今も、人数が多い。物価高で生活が苦しい人が増加している。夏休み前に一人でも多くの子どもが安心して過ごせるように政治の力で解決に動いていただきたい。

小森雅子:NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事

シングルマザーの状況はコロナ禍の後、物価高で家計が疲弊しているという相談をたくさんいただいている。本来なら子どもたちが楽しみにしている夏休みでも、私たちが支援しているご家庭の調査では一昨年の夏休みに体重が減ったというお子さんが11・4%いたということが明らかになりました。また今年もこういうことが起こらないかということを大変心配しています。

お子さんに食事の準備ができないまま、ダブルワーク、トリプルワークをしながら夏休みを迎えなければいけないという方がたくさんいらっしゃいます。

私たちは3600世帯に今月もお米や生活用品をお送りいたしました。お手元の「ほっと通信」を同封し、前向きに少しでも希望を持って暮らしていただけるように支援をしています。どうか(子どもの貧困対策の)政策が進展しますように、今後ともよろしくお願いします。

鳥塚早葵:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン国内事業部

子どもの貧困はすべての子どもの権利の否定につながると国連総会でも示されています。

私たちは特に障害疾病のある子ども、ヤングケアラー、海外につながりのある子どもなど、現在の制度で取り残されがちな状況にある子どもたちがより厳しい状況にあると考えています。病気の親への支援を求める子ども、きょうだいの世話をする子ども、在留資格が不安定で働けないという保護者……日本に住む子どもたちの誰一人取り残さない子どもの貧困対策の拡充を求めたいと思っています。

花岡洋行:NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ経営企画部門統括責任者

こども食堂は子どもとご飯を中心にした多世代の地域の活動拠点の創出を民間の支え合いによってつくっていく取り組みです。課題のある子どもや家庭が多く参加しています。一方で、参加に対してバイアスがかかりづらいという強みがあって、見守り強化支援ほか、ひとり親支援事業の受け皿ともなっています。

今回の物価高騰の中で参加者に価格を転嫁しない運営者が数多くあって、8割が光熱費や食材費の高騰で費用負担が多くなっていると答えています。

4月に全国知事会、市長会に要望を出し、6月にみなさんから支援を決めたという声も沢山ききました。誰も取りこぼさない社会を作っていくために貧困対策につながるこども食堂へのご支援を引き続きよろしくお願いします。

栗林知絵子:NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長

私たちは地域の子どもは地域で育てるをモットーに活動しています。

市民の人たちは何をどう協力していいかわからない。子ども食堂や学習支援、子どもとつながり、子どもを大切にするつながりがどうやったらできるのかが日々の課題です。中間支援団体が活発に活動し、多くの市民が子どもを早期のうちから大切にする、課題を一緒に乗り越えていく、そういう社会にしたいと思っています。地域の子どもを大切にすることは市民だからできる。この力をもっともっと活用していただきたいと思っています。

今井紀明:NPO法人D×P理事長

10代の子どもを対象にしたオンライン相談ユキサキチャットを運営しています。

3年前の登録者は700人でしたが、現在では1万1千人を超えています。6月の相談は営業日4日で1ヶ月以上の相談が来ています。食料支援、現金給付支援の相談も受け付けていて、13万食、6千万円近くの現金給付をすでにしておりますけれども、15歳から25歳の6割が、相談にきた時点ですでに借金をしております。非常に厳しい現状なんですが、インスタグラムなどに広告を出すとすぐに相談が入ります。オンラインの相談の強化をお願いしたいと思います。


共同提言の発表

続いて共同提言の発表がありました。
共同提言は4本の柱からなります。

1.困難を抱える子ども・若者への恒久的な支援を拡充し、子ども・若者の貧困対策を最優先にした子ども予算倍増を

2.こども基本法、こども家庭庁体制のもとで子どもの貧困対策のさらなる拡充を

3.子どもの貧困対策法の改正により、真に子どもの貧困対策を改善する実効性の高い政策改善サイクルの実現を

4.コロナ禍・物価高騰などによる緊急支援・対策の継続を

 

支援団体代表によるリレートーク:後半

共同提言後、4つの提言のフリップを持った団体代表によるリレートークが続きました。

赤石千衣子:シングルマザーサポート団体全国協議会代表

全国35のひとり親支援の団体を束ねております。今報告があったように、毎日、子どもの食事に困っている方たちの相談を受けています。DV被害で悩む方たちのご相談を受けています。困難を抱える子ども若者への恒久的な支援を拡充し、子ども若者の貧困対策を最優先にした子ども予算の倍増を。

たしかにこの10年良くなったことがたくさんあります。給付金が増えたり、税制改革があったり、後戻りしない政策がたくさんできました。しかし、足りないんです。給付金も児童手当も児童扶養手当も。教育の支援も、生活の支援も足りないんです。ぜひ、これをみなさん、予算倍増という回答をいただきたいと思います。

綿貫公平:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人

公立中学校の教員で、退職後は引きこもっていた若者の関わりに日々邁進しています。その立場から3点申し上げたい。

自死をする若者が多い。その背景に不登校の子どもたちが本当に増えている。2つめに学校がプラットフォームになり得るためには教職員が増えなければいけない。教員がゆとりをもって子どもたちの背景にかかわれる力量を持ち、地域とともに生きる教員であるということが大前提に必要だと思っています。

国連子どもの権利委員会から極度に競争的な学校教育のありようが是正勧告を受けているんですよね。競争によって得ることもあるかもしれないが、失うことがとっても多い。ぜひ、学び直し、生き直し、やり直しができる社会になるよう動いていただければ。

平野覚治:一般社団法人全国食支援活動協力会専務理事

子ども若者の命を守るために医療費の無償化をお願いしたい。

それから食べることについて。生活保護費や現金給付をすれば、みなさん食べることができるかというと、それが生活費に消えていくならば、もしかしたら食べるものが手に入らないかもしれない。

私どもは全国2000の団体に食品を配る事業を行っております。企業からいただける食品を集めております。活動を推進するときに大事なのは食べることが大事だということをみなさんと共有することだと思っています。政策が推進できるように議員の先生方のお力添えをお願いしたい。

渡辺由美子:一般社団法人 全国子どもの貧困・教育支援団体協議会副代表理事

コロナ禍・物価高騰などによる緊急支援対策の継続を、ぜひお願いしたい。

本当にいま大変な状況です。ご飯が食べられないということもありますし、子どもに関して言えば、子どもに部活をやめてもらうとか、遊びに行くのをひかえてもらうとか、経済的理由で進路を諦めてもらう、変えてもらうというご家庭が非常に増えています。本当に家庭の状況によらずにすべての子どもが十分な教育を受けられるように、ぜひお願いしたい。

またIT環境や体験活動など、様々なものが必要な時代になっている。そういうものをしっかり受けられて、すべての子どもが社会に出て行けるようにしてほしいと思っています。

日本全国でNPO団体が頑張っています。NPO法人キッズドアの理事もしています。支援を受けた子どもがあんなに立派になる。でもまだまだ支援につながっていない子がたくさんいる。全国の任意団体NPOが活動を続けて、子どもたちが地域で支援を受けられるよう、よろしくお願いします。

室橋祐貴:一般社団法人 日本若者協議会代表理事

子ども基本法、こども家庭庁体制の下で、子どもの貧困対策のさらなる拡充を!

日本若者協議会は若者の声を政治に反映させるという活動をしていて、一番感じているのは過度に競争的な教育環境にあるよねというところ。学校現場がなかなか子どもの最善の利益の場になっていないということを強く感じています。

その理由は子ども基本法に書かれている子どもの意見表明権がほとんど守られていないというところで、その観点で2つ提言したい。

学校の中で子どもの声を聴くしくみがほとんどない。生徒会は形骸化している。子どもたちが求めていることが実現できない。諸外国の3者協議会のような対等に議論できる場所をきちっと作っていくことが重要かなと。もう1点は提言に入っていないが、教育委員会の委員になるには被選挙権と同じ年齢制限がかかっていて、25歳以下は入れない。海外だと高校生が教育委員会に入っている。年齢制限を是非ともとっぱらっていただきたい。

末冨芳:公益財団法人あすのば理事

異次元の少子化対策、こどもまんなか未来戦略、大変うれしいんですけれども、それでも心配なことがたくさんありすぎて、今日はハスキーボイスです。

今思い出して置かなければいけないのは、子どもの貧困対策のゴールがなんだったかということです。

すべての子どもが幸せな日本をつくることだったはずです。今日来た若者のみなさんの声を聞くとまだ全然そうじゃない。私たちにはやらなければならないことがたくさんある。真に子どもの貧困対策を改善するための政策サイクル、指標もそうですし、マイナンバーも大事だと思いますが、誰よりも困難な状況にある若者を助けるために活用されなければならないと思います。それを優先して議論していただきたい。そのために、こども大綱でがんばっていただきたい。

もう大人だけでは決めない。子どもと大人と一緒につくってより良くしていくんだということがやっと子ども基本法で定まりました。どうぞ、私たちの子どもの貧困対策の取り組みを引き続きお支えください。

国会議員皆様によるご挨拶

会の後半は、国会議員のみなさんからご挨拶をいただきました。

長島昭久衆院議員(自民党)

緊急な課題として、低所得の子育て世帯の特別給付金を児童手当に上乗せ給付していく必要がある。住民税非課税世帯以外にも拡大していかないと追いつかない。この秋にこども大綱を策定する。子どもと若者の所得を上げていく。児童手当の所得制限が撤廃されましたが、代わりに扶養控除を廃止するというバカなアイデアが出ている。政治がノーと言っていく必要があると思っている。異次元の少子化対策はこれから生まれてくる子どもに対する投資。われわれが本来やらなければいけないのは、現に生まれてきた子どもをしっかり育てていく、そういう子どもの育ちを応援することだと思っている。

古屋範子衆院議員(公明党)

児童手当、給付型奨学金の拡充、小児医療費の高3までの無償化を実現していきたい。少子化対策3兆円半ばというところまで増やして、子どもの貧困対策、障害児、医療的ケア児への支援というのも盛り込まれた。これが実効性のあるものとなるように取り組んでいく。

山井和則衆院議員(立憲民主党)

3・5兆円といわれる少子化対策の中で、一番の胆となる低所得世帯への経済的支援というのが残念ながらまだ入っていない。延長戦の中で、5千億円の上積みの中に貧困という言葉を入れることができた。この3・5兆円規模の少子化対策に児童扶養手当の増額と所得制限緩和と支給額拡充が入っていない。それが入らなかったら、大変なことになるんじゃないかと思っている。扶養控除の廃止は論外です。超党派でがんばる。

一谷勇一郎衆院議員(日本維新の会)

勇気をもって体験を話してくれた学生のみなさんに感謝したい。子どもの問題は両親や大人の問題でもある。大人の問題は厚労と子どもはこども家庭庁で分けてしまうことがないようにしてほしい。教育の無償化を大阪では実現している。地方でできて国にできないことはない。

高橋千鶴子衆院議員(共産党)

沢山の要望がまだまだある。がんばらなければいけない。所得制限の撤廃は、子どもは社会が育てるという理念にようやく戻ったということ。枠は作ったけれど、困難を抱えている、最優先で取り組まなければいけないことにまだ手がつけられていない。もっとこども大綱で肉付けをしていくことが求められている。

田中健衆院議員(国民民主党)

私は10年前都議会議員だった。なんとか一緒にやりたいと思っていた。私自身、新聞奨学生で働きながら大学を出た。奨学金の問題まだまだたくさん課題がある。子育ては教育は社会全体で支えていく。総論賛成だが、各論になると進まないというところを、今日を機に乗り越えて行きたい。

福島みずほ参院議員(社民党)

子どもの貧困は数字が出れば改善していない。奨学金返済を苦にして自殺をしている人がいるという記事に胸を締め付けられた。何にお金を使うのか、というときに、子どものためにもっと使ってほしい。教育の無償化を言ってきました。半分になるだけでずいぶん変わる。18歳までの医療費無償化、現物支給も含め、3年後、5年後に実現を確認できるようにしたい。子どもが一人の主体として尊重される社会をつくっていきたい。

最後に一同が会して記念撮影をし、子どもの貧困対策をさらに進めていくことを誓いました。