就労スキル支援プロジェクト「スマイルアップ」活動報告〜得られたものは、パソコンスキル・資格よりも ”チャレンジする勇気”

「スマイルアップ」活動報告

得られたものは、
パソコンスキル・資格よりも
”チャレンジする勇気”

なぜスマイルアップ?

パソコンを使いこなすスキルは、特にコロナ禍で必須になっています。

ですが、接客、福祉、保育など、現場で立ち回るお仕事をしてきた方、専業主婦の経験が長く最近離婚したばかりの方には、職場で日常的にパソコンを使った経験がありません。

パソコンスキルがなければ、就職や副業の選択肢は限定されてしまい、コロナ禍で影響を受けた生活を立て直すのは困難です。

コロナの影響を受けにくい職種に転職したい、非対面の働き方に関心がある、キャリアアップを目指したい、と思っても「パソコンができないから」と一歩踏み出せない。

そんなシングルマザーの方々を対象に、しんぐるまざあず・ふぉーらむは、イケア・ジャパンとのパートナーシップで、パソコンスキル習得や就労に役立つ資格取得を支援する事業「スマイルアップ」を実施しました。

支えあい、努力を重ねた6か月間

2021年6月から2021年12月までの6か月の研修には、15名が参加。

パソコン初心者同士という安心感のもと、パソコンの電源の入れ方から学び、パソコンスキルの検定試験であるMOSワード、エクセルに向けて練習を重ねました。

また、一連のパソコン講座後には、パソコンを使った仕事を想定して、非多面のビジネスコミュニケーション講座を受講。

非対面だからこそのコミュニケーション・スキルを磨きました。

研修カリキュラムには、イケア・ジャパンの社員向け研修であるリーダーシップ講座や自己尊重感アップ、ライフプラン、就労セミナーも含まれ、受講生がご自身を振り返り、就労に向けた心構えを持ち、子どもたちの将来も視野に入れたライフプラン、キャリアプランを描くお手伝いをしました。

希望者には2回にわたる個別キャリア相談を提供し、これまでのキャリアの振り返りから、職場の困りごと、ライフプラン、キャリアプランの立て方、履歴書・職務経歴書の書き方、お子さんの教育に関する悩みまで、幅広く相談にのりました。

仕事に、家庭に、自らの学びに奮闘し、忙しい毎日の生活の中で隙間を縫ってパソコンに向きあい、受験前には夜遅くまで練習に励んできた受講生。

受講生それぞれに学びのプロセスを伴走するメンターがつき、毎月個別面談を重ねて、エールを送り続けました。

「メンターさんがいたから最後まで頑張れた」、「寄り添ってもらって感謝しかない」、という受講生からの声には、受講生がメンターに寄せる絶大な信頼感がにじみ出ています。

スマイルアップにご協力いただいたパソコン講師2名は、次のように振り返ります。

「日々の忙しい時間の中で、真摯に学習に励む受講生の皆さまの姿勢には、尊敬の念も抱きました。」

「見違えるほど成長された皆さんを目の当たりにしたからこそ、初日の講義が遠い昔のように感じられます。(オンライン)講義初日で、Wordを開くまでに 2 時間を費やしたことがとても衝撃的でした。講義を重ねるにつれ皆さんの顔つきも変わってゆき、質問内容の質がグングンと上がっていったことに驚きました。」

「私自身も、皆さんの頑張りに後押しされておりました。私も、この先何かあった際は皆さんとのことを思い出します。」

「できる」という自信

受講生の努力が実り、MOSワードは、受験された方全員が合格。
MOSエクセルでも大いに健闘され、立派な結果を残されました。

さらに、非対面の接客スキルを証明するコンタクトセンター検定エントリー資格にも挑みました。

研修後のアンケ―トでは、回答された修了生全員がご自身の目標を達成でき、受講を通して新たな目標ができた、と言う方も多くありました。

でも、研修で得られた最も大切なものは、「私はできる」という自信。

大変だった6か月を振り返って、修了生の方々が口をそろえて話されるのは、「頑張ることのできる自分を見つけられた」、「これからも失敗を恐れず前向きにチャレンジしていきたい」という言葉。

たとえうまくいかなくとも、肯定的に振り返ることのできるレジリエンスは、「結果はともあれ、やってみよう」と次の一歩を踏み出す意欲に繋がります。

受講生が「できる」という自信を体得できたことは、スマイルアップを超えて、今後の人生への向き合う姿勢にもかかわる大切なことかもしれません。

スマイルアップを終えて

6か月前の開講式では緊張と不安で硬かった表情から、見違えるほど明るい笑顔で、修了式に臨まれた受講生の皆さん。

イケア本社の会場にて開催された修了式では、終始、温かい和やかな雰囲気が流れ、研修ではぐくんだ信頼感や同じ目標に向けて頑張った仲間意識が感じられました。

「皆さんがいたから頑張れた」という声も聞かれました。

「いずれは自分も支援する側に回りたい」という抱負を共有してくれる方もありました。

初回講座の時に6か月後の自分に宛てて書いた手紙を読んで涙する姿もありました。

それぞれの受講生の頑張る姿は、受講生同士の刺激となり、見守るスタッフに感動を与えました。

でも、それだけではありません。
お母さんの頑張る姿を見て、お子さんにもよい影響があったと話す受講生が多くありました。

スマイルアップを修了から3か月。

修了生は、今後もゆるく繋がっていきたい、と交流が続いています。

スマイルアップでの学びを土台に、それぞれの夢に向かって頑張る姿を、しんぐるまざあず・ふぉーらむは、応援しています。