ひとり親家庭をサポートする全国ネットワーク

【1周年記念報告会】1.2019年度の政策提言についての報告「未婚のひとり親への寡婦控除税制の適用拡大について」しんぐるまざあず・ふぉーらむ・沖縄/秋吉晴子さん

未婚のひとり親への寡婦控除税制の適用拡大について

しんぐるまざあず・ふぉーらむ・沖縄/秋吉晴子さん

昭和の時代から婚姻歴のないひとり親は、税制のなかで差別されてきた、いわゆる未婚のひとり親への寡婦控除の問題が、昨年、みなさまのお力をいただき、ようやく解決しました。そのご報告をさせていただきます。

非婚(未婚)のひとり親は、離婚や死別のシングルマザーと同じ収入でも、住民税、所得税が高くなり、また、税額を基準に利用料などが定められるサービスなど、様々な負担がより大きくかかっていました。

その理由は、離婚・死別は年収約204万円以上から課税世帯ですが、 非婚は約150万円から課税世帯になるためでした。

離婚、死別は寡婦控除が適用されますが、婚姻歴のないひとり親には寡婦控除が適用されない現状がありました。

寡婦控除の適用表をみると、死別、離婚、非婚の順に控除が手厚くなっているのがわかります。

非婚は、母子世帯、父子世帯ともに、補助がなにもついていませんでした。

これは2014年の那覇市の例です。

住民税、所得税、保育料、あわせて26万円以上の差がありました。

給与収入が年間200万円の同じシングルマザーであっても、婚姻歴あり(寡婦)と婚姻歴なし(非婚)では、住民税や所得税、保育料などで、約27万円も婚姻歴がない人が多く払っていました。

このような差をなくすために、2009年に日弁連に非婚の母3人が人権救済の申立を行ないました。

その後、所得税法の改正にまで時間がかかるのであれば、自治体で運用可能な、保育料などには寡婦控除を「みなし適用」してほしいという陳情書を全国のしんぐるまざあず・ふぉーらむらが提出し要請活動を始めました。

2009年に日弁連に「人権救済申立」をした後、2012年に日弁連より「調査報告書」及び「要望書」を提出してくださいました。

2018年 厚生労働省が保育料など25事業について「寡婦控除のみなし適用」を実施、2019年度税制改正で2022年度から「未婚のひとり親世帯の個人の住民税の非課税措置」の創設はされましたが、所得制限は児童扶養手当受給者のみという厳しいものでした。

2018年秋、与党税制調査会に向けてロビーイングを開始し、未婚のシングルマザー100人アンケートを実施。結果報告を厚労省で記者発表しました。

2019年秋、未婚への寡婦控除は児童扶養手当受給者(所得230万円)に限定するとの情報が入り、「対象は所得500万円以下にしてほしい!離別・死別と同等の基準にしてほしい!」ことを絶対にゆずらない気持ちで最後の訴えにロビーイングを行ないました。

ようやく2年にわたるロビーイングの成果がでました。私達の声に共感してくださった与党の女性議員のみなさまが、議員会館をかけずりまわって反対の方々を説得してくださったのです。

令和2年度分から離婚、死別と同様に、未婚・非婚の人にも所得税で寡婦控除が適用されることになりました。本当に本当にうれしかったです。

これが令和2年度から適用される、寡婦控除額です。

ひとり親は全て35万円の控除を得ることができました。

あしかけ12年の活動で一定の成果を見せ、多くのひとり親がひとり親控除を受けることができるようになりました。本当に長い時間でしたが、国を動かすことができ、多くの方々の力を得ることができ、本当に感謝しています。

ありがとうございました。