【1周年記念報告会】コロナに苦しむひとり親のための政策提言「国に対しひとり親世帯臨時特別給付金の創設を働きかける」しんぐるまざあず・ふぉーらむ/赤石千衣子さん
国に対しひとり親世帯臨時特別給付金の創設を働きかける
しんぐるまざあず・ふぉーらむ/赤石千衣子さん
しんぐるまざあず・ふぉーらむでは、4月5月、思ってもみないほど、困窮する世帯からの相談がとても多かったんですね。さきほどお話したように、1日1食にしているなど日常的にも困窮している方が、食費を減らす以外の手立てをもっていないわけです。
しかも預貯金も少ないということで、もうどうしようもなくて、こうした支援団体が食料支援をしていることを知ると、みなさん、「助けて!」と言ってくるので、私達は動かざるを得ない状況が進んでおりました。
私どものところにも、たくさんの「助けて!」のご相談が殺到したわけですが、これはひとり親に特化した支援がなにかないといけない。
3月から要望していたんですが、ひとり親に特化した支援をなんとかして創設したいということで、5月の初めから動きはじめました。
「もう食べるものがありません」「ひもじいです」「子どもが空腹を水を飲んでしのいでいます」という方には、緊急のお米をお送りするんですが、それとともに公的な支援を届けることを頑張ったわけです。
国会議員のみなさんは、当初「本当にそんなにひどいのか」とわかっておられなかったと思います。
私どもが「1日1食の訴えがあるんです」「2日に一度しか食べてないお母さんがいるんです」というと、議員のみなさんは「なぜ、緊急小口資金が届いていないのか」と聞かれるわけです。
でもさきほど山口さんが話していただいたように、「緊急小口資金が借りにくかったり、書類が中央と違っていたり、いろいろな齟齬があって、借りられてないんですよ」とお伝えして、与党・野党に実態をお届けしました。そうすると徐々にわかっていただけました。
5月19日に緊急で記者会見を行い、低所得のひとり親世帯が大変な状況であるということ、児童扶養手当を半年間、月4万円増額することなどを訴えさせていただきました。
与党も野党も最終的には、ひとり親には追加的な支援が必要だということで努力していただき、「ひとり親臨時特別給付金」が出ることに決まったわけです。本当にありがたく思っております。
低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金の画期的なところは、児童扶養手当受給者だけでなく、遺族年金、障害年金などの年金受給者にも平等に給付をしますということです。
児童扶養手当は、前々年度所得で出していますので、今の状況に対応できないわけですが、そこにも対応していただけるということで、追加給付として家計が急変した方にあと5万円だしていただけるということです。
給付額は、
・基本給付が1世帯5万円、第2子以降1人につき3万円
・追加給付が、1世帯5万円
ということでつくっていただきました。
これで十分だとはいえないのですが、ひとり親に対するひじょうに大きな希望になっています。
ここまで至るのにご協力いただいた皆様に感謝します。
今後も必要なこと、別居中の方がもれてしまうといったことがございますので、そういった声を届ける責務がある、そのためにシングルマザーサポート団体の取り組みがひとり親の声を取り上げて、政府に届けるという回路ができているかな、と思っております。
ありがとうございます。