新型コロナでの影響:シングルマザー世帯への支援策に関するアンケート結果(2020/04/13暫定版)
新型コロナウイルスの感染拡大でどのような影響を受けているか、どのような支援がほしいかなど、しんぐるまざあず・ふぉーらむの会員を対象に約200名からアンケートの回答をいただきました。
その結果をご紹介します。
【アンケートの基本情報】
· 「新型コロナウィルスの影響によるひとり親と子どもたちのくらし4月調査」
· 期間:2020年4月2日〜4月5日
· 対象者:NPO法人しんぐるまざーずふぉーらむ会員シングルマザー3000名へのメルマガ送信時にWEBフォームによる回答
· 回答数:215 (うち、有効回答 211 / 無効回答 4)
◆まとめ◆
【金銭面の論点】
· 食費や水道光熱費、教材費など1万円以上の出費が出ている
· 新型コロナによる影響で収入減少世帯が48.6%、
収入がなくなる世帯が5.8%、合計54.4%が収入が減る。
· 3月調査に比べどちらも多くなっており、困難が深化している
· 休業補償は一斉休校で休んだ人のうち18.5%しか現在は受け取れていない (まだわからないもいる)
· すぐに現金給付が欲しい人が78.1%。
【子ども関連の論点】
· 外遊びが減っており子どもの生活リズムが心配
· 一人で勉強できない 、勉強についていけるか心配
· オンライン学習支援も、パソコンや通信環境がない
【最も求められている支援】
· 迅速な現金給付
· 子どもが安心していける場所や支援
· 就学援助を受けている家庭への 給食費返還
· 休業保障
◆アンケート結果◆
1. シングルマザーが置かれている状況
《シングルマザーの多くが就労をしているが、収入への不安が大きい。》
▼就労状況 について(206 回答)
パート・アルバイト…39.3% (81)
正社員…29.1% (60)
派遣社員・契約社員…13.1% (27)
自営業…8.3% (17)
無職…5.3% (11)
求職中…1.9% (4)
個人事業主…0.5% (1)
嘱託職員…0.5% (1)
家族経営に従事…0.5% (1)
自営、パート、派遣の掛け持ち…0.5% (1)
休職中…0.5% (1)
病気療養中…0.5% (1)
※ 回答のあった206人のうち、91.7% (189)が就労中である。
※ 就労中と回答をした189人のうち、58.2% (110)がパート・アルバイト、派遣・契約・嘱託、個人事業など非正規や不安定な就労状況にある。
※ 就労中と回答をした189人のうち、正社員は31.7% (60)である。
▼新型コロナウィルスの影響であなたの収入に変化はありそうですか?
(208回答)
収入は減る…48.6% (101)
収入は変わらない…37.5% (78)
収入がなくなる…5.8% (12)
まだわからない…1.4% (3)
収入が減るかもしれず不安…1.0% (2)
収入は増える…1.0% (2)
その他…4.8% (8)
※ 54.4% (113)が「収入は減る」「収入がなくなる」と回答した。
《早急に現金給付が必要な人が多い》
▼あなたは政府や自治体に新型コロナウィルスと一斉休校の対策としてどのようなことを要望しますか?(210回答、複数回答)
「すぐに現金給付が欲しい」…78.1% (164)
「子どもが安心していける場所を増やしてほしい」… 48.1% (101)
「給食がないときの給食費を修学援助を受けている家庭にも返還して欲しい」… 41% (86)
「休業保障をしてほしい」… 37.6% (79)
「有給休暇を取得できるように(あるいはたくさん取得できるように)してほしい」…26.2%(55)
「収入を得るための仕事を紹介してほしい」…14.3% (30)
「在宅勤務のためのトレーニングをしてほしい」…11.9% (25)
「個人にベビーシッターのサービス利用の補助をしてほしい」…11.4% (24)
※ 「収入は減る」「収入がなくなる」と答えた113名のうち、88.5% (100) が「すぐに現金給付が欲しい」と回答した。
※ パート・アルバイト81名のうち、84.0% (68)、派遣社員・契約社員27名のうち、77.8% (21)、正社員も60名のうち、68.3% (41)が「すぐに現金給付がほしい」と回答した。
【当事者の声】
· ホテル業界で仕事している為暇になり収入が減って出勤も余り出来ない。収入が減ったので新学期に新しく買うのも我慢して貰って買ったり出来ない。(北海道、パート・アルバイト、子ども2人)
· 休校で食費が増えて苦しいです。光熱費も家にいるので (宮城県、派遣・契約社員、子ども1人)
· 小学校と中学校の入学が重なっている為、準備にお金がかかり4月の食費や光熱費や学費が払える自信がありません。(山梨県、パート・アルバイト、子ども3人)
· 子どもが家にいて、簡単なものですが食事も用意してるので、食費がかかり、早く終息してほしいです。お米類でお腹を満たし、栄養が偏り困っているが、我慢している。日用品、生活費、食費もこれからどうしようかと悩んでいる(東京都、パートアルバイト、子ども1人)
· 収入は減らなくても、子どもがずっと在宅なことで食費、電気代等、確実に支出は増えています。本当は家に居てあげたくても、生活のために働いているし、雇用継続の為にも簡単に休めない。(福井県、正社員、子ども2人)
· 電気代、食費など支出も大幅に増えこの先生活が不安です。家賃も払えないほど困窮しています。(神奈川県、派遣・契約社員、子ども2人)
· 収入は減る上、こどもの昼食代、諸々かかるかと思うと、先行き不安です。現金給付の対象者にも当てはまらないとなると、来月以降のお金が足りません。(東京都、正社員、子ども1人)
《特例措置を知らない人が多く、 必要な人に情報が届いていない》
▼新型コロナに伴う緊急小口資金等の特例(1年後に所得減少の場合償還免除あり)について知っていますか?(210回答)
「知らなかった」…40.5% (85)
「聞いたことがある」…33.8% (71)
「知っている」… 24.8% (52)
「その他」… 1.0% (2)
※ 「収入は減る」「収入がなくなる」と回答した113名のうち、新型コロナに伴う緊急小口資金等の特例について:
→ 40.7% (46)が、「知らなかった」と回答した。
→「知っている(相談中等の回答を含む)」と回答したのは24.8% (28)だった。
注記 緊急小口資金については、この調査の10日前のメールマガジンですでに告知した結果であるので、一般世帯の周知度よりは多くなると思われる。
《一斉休校の影響が甚大》
▼ お子さんの学校では一斉休校が行われました?
(188回答、未就学児を含まない)
「一斉休校は行われた」…96.8% (182)
「一斉休校は行われなかった」…3.2% (6)
▼新コロナウィルスと一斉休校であなたの仕事に影響はありましたか?
(205回答)
「仕事には行っているが早く帰るようにしている」…17.1% (35)
「一斉休校のために仕事を休んだ」…16.6% (34)
「仕事が少なくなったので、シフトや勤務時間を減らされた」… 14.1% (29)
「新型コロナウィルス関連で仕事が忙しくなった」… 12.7% (26)
「新型コロナウィルスの影響で仕事がなくなった」…11.2% (23)
「変わらない」…12.2% (25)
「在宅になったので家で子どもを見ている」… 5.4% (11)
「働いていない」…2.9%(6)
「就職活動に影響が出ている」…1%(2)
「連れて行くのが怖くて自粛休み」…0.5% (1)
その他…6.3% (13)
▼仕事を休んだ方へ。国の新型コロナウィルス一斉休校のために休暇を取得し休業補償は受けられましたか、受けられそうですか。
アンケート回答者のうち、対象の子どもがいるのは132名だった。
一斉休校のために仕事を休んだと回答した小学生の子の母親27名のうち、
「休業補償が受けられるかわからない」 …29.6% (8)
「休業補償は受けられない」 …25.9% (7)
「これから受けられるかもしれない」 …25.9% (7)
「休業補償は受けられた」…18.5% (5)
《休校による出費増が家計を圧迫》
「一斉休校のために仕事を休んだ」、「仕事が少なくなったので、シフトや勤務時間を減らされた」という声もあり収入は減る一方、「小学校と中学校の入学が重なっている為、準備にお金がかかり4月の食費や光熱費や学費が払える自信がない」という声も寄せられた。
2. 子どもが置かれている状況
アンケートで回答のあった高校生以下の子どもの総数:365人(集計中のため暫定数)
▼小学校のお子さんのいる方にうかがいます。
一斉休校以降で小学校のお子さんの外遊びの頻度は、以前と比べて変わりましたか? (135回答)
「外遊びがかなり減った」…65.9% (89)
「外遊びが少し減った」…18.5% (25)
「変わらない」… 8.9% (12)
「外遊びが少し増えた」…4.4% (6)
「外遊びがかなり増えた」… 0.7% (1)
その他…1.5% (2)
※ 「外遊びがかなり減った」「外遊びが少し減った」は、回答した135人のうち84.4% (114)にものぼった。
3. 最も求められている支援
・ 迅速な現金給付
・ 子どもが安心していける場所
・ 就学援助を受けている家庭への 給食費返還
・ 休業保障
シングルマザーの多くが平時でさえ苦しい生活状況を抱えている中、今回の新型コロナウイルスによる影響で出費は増加し、収入は正規・非正規ともに減少の見通しとなっている。 子どもが安心して遊べる空間や子どもを預けられる人がいないなど、経済的な負担に加え、子どもに関連した心配事も重くのしかかっている。
また、中には家計の担い手となって働く高校生もアルバイトが減っており「中学生までではなく高校生も対象にしてほしい」という声も寄せられた。 家計の状況や頼れる人の有無などにより各家庭の状況はさまざまだが、ひとり親世帯、社会的に弱い立場に置かれている人を取り残さない支援策が求められている。
実施 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
協力 NPO法人夢職人、 NPO法人ウィメンズアイ
問合せ info@single-mama.com
※このアンケート結果は、各メディアに取り上げられています。
●<新型コロナ>シングルマザー困窮 「すぐに現金給付欲しい」78%
(東京新聞 2020年4月14日)