就労支援講座「アサーティブ・トレーニングでエンパワーメントしよう」 22人が参加

しんぐるまざあず・ふぉーらむの就労支援講座「アサーティブ・トレーニングでエンパワーメントしよう」が10月11日、東京都渋谷区の結・しぶやで開かれました。受講生とボランティアスタッフ計22人が参加し、自分も相手も尊重するコミュニケーションのコツを学びました。

講師は横浜市男女共同参画センター・相談センター長の丹羽麻子さんです。

講座は車座になってスタート。丹羽さんは「私たちにしみついてきた気後れとか、怒られるから言わないでおこうとか、そういう気持ちを立て直すちょっとしたコツを学んでください」と語りかけました。「ずうずうしい女になれますよ」と加えると、ドッと笑いが起きました。

アサーティブは英語で「自他を尊重した自己主張」。丹羽さんの定義は「過不足なく、自分の価値をディスカウントすることなく出せる。対等で、要はすっきりしている感じです」。

こんなとき、なんていう?

講座ではまず、事例を挙げて、「こんなとき、なんて言う?」を出し合いました。

日本の女性たちは周囲に気を遣うべきで優しくするべきだとすり込まれています。

「そうすると勝負しなきゃいけない時に言葉が出ない。コノヤローと言えず、私が悪かったとなってしまう」と丹羽さん。

「女性への期待値が謙遜にあるため、褒められても『それほどでも……』を加えてしまうんですね」

主張するのに大事なことは「自分と相手が対等で、コミュニケーションが取れる状態にあること」。丹羽さんは「そういうパターンを自分の中に育てることが大切です」と話しました。そのパターンは「枕詞をつけ、必要な事情を説明し、私の気持ちを伝える」という3部構成で臨むとうまくいくそうです。

昼ご飯をはさんで、2つのシチュエーションで練習しました。

子どもには「そのときの、一つのことを言う」

最後に「子どもに対するコミュニケーション」について質問があり、丹羽さんは次のようなコツを伝えました。

・思春期以前の子どもに枕詞は必要ない。

・子どもにとらせなきゃいけない責任、やらせなきゃいけないことを親が引き受けない。

・言うことは一つにする。

・現行犯について苦言を言う(いつもあんたは!と言わない)

参加者が活発に自分の意見をいい、他人の意見に耳を傾ける気持ちのいい講座になりました。受講生のみなさん、丹羽さん、どうもありがとうございました。

【受講された方のご感想】

・丹羽先生がとても気さくで明るく、わかりやすく講義してくださったので、グイグイ引き込まれました。楽しく受けさせていただきました。 久しぶりに声を上げて笑いました。様々な感じ方や考えの違いが赤裸々に聞くことができてとても参考になりました。社会から分断されたような状況でいることが長く、今でも積極的に人と交流することができません。ここは安心安全の場。そのための「ルール」を示してくださったので、参加できました。アサーティブであるために、自分を取り戻すために練習を重ねていきたいと思います。

・仕事で相手の様子や考えを察すると、自分の気持ちを言葉にすることができず後悔することが多かったので、考えを整理したり、皆さんの表現を学んだりととても参考になりました。

・アサーティブの講座なのですが、グループカウンセリングのような感じで一体感があり安心して共有できる空間だったのがとても良かったです。先生の話しが具体的で非常にわかりやすくイメージしやすかったです。