ひとり親家庭をサポートする全国ネットワーク

11月5日 院内集会「ひとり親世帯の子どもたちはなぜ貧困なのか〜不公平な寡婦控除税制の見直しや養育費未払い問題の早期解決を~」開催報告

7月にシングルマザーサポート団体全国協議会が発足し、行動計画シングルマザーわたしたちの生きる宣言を発表しました。この行動計画に基づき、政策を要望し実現するための院内集会を11月5日に開催しました。

26人の与野党の国会議員のみなさま、厚労省、内閣府、法務省からもご出席をいただき、シングルマザーと子どもたちの声を聞いていただきました。



◆「寡婦控除税制の改正について」 しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄 秋吉 晴子

沖縄には未婚の母が全国の1.5倍おります。若年出産された方が多く、3500人ぐらいいらっしゃいます。

20歳未満の子どものいる未婚のお母さんは、全国に11万人以上いらっしゃいます。
今日はその方達の気持ちを代弁してお話しさせていただきます。

これまで私たちは高い保育料を払ってきました。住民税、所得税も他のお母さん達と比べて高い税金を払ってきています。

お金だけではありません。今の日本で未婚で子どもを出産し育てていくのは、本当に想像する以上に大変です。

それでも一生懸命がんばって子どもを育ててきています。
しかし、税制の差別がまだ日本には残っています。
それを何とかしていただきたいという思いで、日弁連に人権救済の申し立てをしたり、地方議会にたくさんの陳情をあげてきました。たくさんの費用、たくさんの時間を費やしてきました。

今日は国会議員のみなさんにこの声を伝える機会を得ました。今日ここでこの問題をぜひ皆さんに持ち帰っていただいて、この問題を引き受けていただけないでしょうか?

私たち当事者が、この問題を訴えるのは本当に大変です。国会議員の皆さんでこの問題を引き受けていただいて、公平で公正な税制、そしてひとり親が安心して胸を張って子育てできる社会と制度を作り上げていってほしいと思います。
ぜひよろしくお願いいたします。


◆「未婚の母の子どもの立場から」NPO法人 あっとすくーる 渡 剛

大阪で「NPO法人 あっとすくーる」という、ひとり親家庭の子どもたちの学習支援をしております。私自身が未婚の母子家庭で育ってきた経験が、現在の仕事につながっています。

今日は母子家庭で育った子どもの立場として少しお話をさせて頂ければと思います。

昨年末、寡婦控除をめぐる議論が様々なメディアで報道されていましたが、その中で1つの言葉が僕の目に飛び込んできました。

それは「未婚の出産を助長してしまうんではないか」という言葉です。

これまでひとり親家庭であるという事で、いろいろな嫌な思いをしてきましたし、なかなか人に話しづらい思いもしてきた子ども時代がありましたが、大人になってそういうことを感じる事は一切ありませんでした。

しかし、その言葉を見た瞬間に、生まれてきて初めての苦しみを経験しました。

僕が生まれてきたのは間違っていたことだったんだろうか?

阻止されなければいけない生まれ方を自分はしてきたんだろうか?

私は、母と祖母、父親が違う10歳以上離れた兄が2人という家庭で生まれ育ちました。中学校の頃に兄の借金があり、家庭の状況は厳しくなり、母親は必死に働きながらかつ僕のことを見てくれながら、非常にしんどい状況の中で頑張ってきてくれました。

そんな母は、僕が頑張ってくれることだけが生きがいだと言っておりましたので、頑張ってくれる母親に応えようと、僕自身も頑張ってきました。それこそ自分が頑張らなくなってしまったら、母親が死んでしまうんではないか、家族がなくなってしまうのではないか、という中で一生懸命必死に頑張って生きてきました。

何とか大学にも進学させてもらい卒業もさせてもらい、今は自分と同じ境遇の子どもたちを支える活動をしています。

未婚であっても離婚であっても死別であっても、毎日いろんなことに葛藤しながら生きている親子の暮らしがあると思っています。

僕の母は女手一つで、社会に出て恥ずかしくない子どもを育てるために、身を削りながら働いてくれました。

僕の場合、そんな母を見ながらこれ以上負担をかけてはいけない、迷惑をかけてはいけないと思い、いろんなことを我慢して生きてきました。

そうやって頑張って生きてきて、この歳になって、ああいう報道を見たときに、社会から否定をされる、受け入れてもらえない、というのは本当に苦しいことだなと思いました。

今回の寡婦控除の税制の見直しを通じて、この日本という国が、どんな状況であれ生まれてきた命をきちんと支えていく、その家族をちゃんと見守っていくというメッセージを社会の中にぜひ発信していただきたいと思います。

SDGsには、「誰ひとり取り残さない」と書いてありますが、僕たちを含めて誰ひとり取り残さない社会を作っていただきたいと思います。よろしくお願いします。


◆自由民主党 野田聖子 衆議院議員

女性活躍という言葉が世間では浸透していますが、その裏腹にいかに女性が活躍できないか、というのがここ数年取りざたされています。

ほとんどの女性は、キャリアや高額な年収を欲しいと言っているわけではありません。人として当たり前の生活をしっかり確保することが女性の活躍の第一歩だと思います。

少子化という課題を克服したアメリカやフランスでは、シングルマザーたちが主役となり、しっかり子どもを育てたというデータがあります。

日本ははたして先進国なのかなと時々疑問に思うことがあるので、しっかりとやるべきことを決めて実行に移し、そして子どもたちに堂々とした親っぷりを見せるために、一生懸命頑張っていきたいと思います。


◆公明党 古屋 範子 衆議院議員

児童扶養手当の額の拡充など、ひとり親の支援に長年取り組んで参りました。昨年の税制改正の時には、ひとり親の寡婦控除の件が最後の最後まで残りましたが、公明党は粘り強く取り組み、住民税の部分は改正することができました。今年の税制改正では、残された所得税について粘り強く努力をしていく決意でございます。

みなし適用の文部科学省の分野については、離婚や死別より年収の低い未婚のひとり親に関して54万円も差がついてしまうことに関して、早急に解消するように伝えております。

子どもにとって親がどういう理由でひとりなのかは、全く関係がありません。受験を前にいろいろな問題が起こらないように、最大限取り組んで参りたいと思っております。


◆自由民主党 尾身 朝子 衆議院議員

私自身がひとりのシングルマザーとして今日は参加させていただいております。

次男が妊娠5ヶ月の時に別居、その時からカウントすると25年、正式にシングルマザーになって21年間、2人の男の子を私立大学まで何とか一馬力で育てあげることができました。

皆様のご苦労、また今日の課題は私自身の通ってきた道でもございます。

皆様方のご苦労や今日の課題などは、私自身が通ってきた道ですので、皆様と共に、すべての子どもの幸せのために頑張っていきたいと思います。


自由民主党 今井 絵理子 参議院議員

私もシングルマザーで息子が3歳の時に離婚しました。養育費はもらっております。

シングルマザーには、たくさんの形があります。死別も離婚も、自由に生きる権利があります。シングルマザーであっても、子どもたちが幸せに生きて欲しいと思いながら一生懸命働いています。

制度の壁を突破できるのは、政治家しかいないと思っています。

皆さんの声をきちんと受け止めて、生まれた子どもたちが笑顔になれるように、取り組んで参りたいと思います。頑張りましょう。


◆立憲民主党 水岡 俊一 参議院議員

ひとり親世帯の子どもたちを支援するために、頑張っておられる皆さんに心から敬意を表したいと存じます。

私は昔中学校の教員をしておりました。ひとり親世帯の子どもたちと一緒に頑張ってきたことを、今思い出しているところです。

どのように子どもたちを支援をしていくのか、仲間と一緒に考えながら戦っているところであります。

現在、立憲民主党の文教部会の部会長を務めており、文教部会としてこの関連の問題を取り上げて、考えていきたいと思っております。


日本維新の会 音喜多 駿 参議院議員

2015年にシングルマザーであった妻と結婚し、今ステップファミリーを形成しておりますので、シングルマザーの生活の辛さ、そして娘がどう生きてきたのか、ということを妻から誰よりも深く聞いております。そういった意味で私も当事者の1人だと思っております。

4月に国会に来たばかりではありますが、皆さんのお力になれるようにしっかりと頑張って参ります。




◆「新入学お祝い金事業のアンケート調査から〜児童扶養手当の所得制限、支給回数について」認定NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ 赤石 千衣子

しんぐるまざあず・ふぉーらむの新入学お祝い金事業の調査報告書を参考に児童扶養手当の所得制限と支給回数について述べさせていただきたいと思います。

この新入学お祝い金は、小学校から大学等まで、入学時に困難を抱えるひとり親世帯の子どもたちに3万円あるいは4万円をご寄付から給付する事業です。昨年は794人に支給しました。

児童扶養手当の全部支給の所得制限は年収ベースで130万円であったものが、平成30年から上げられ、160万円にひきあげられました。また、児童扶養手当の支給回数も、年に3回だったものが、年に6回、隔月支給となりました。ご尽力いただいた皆様に感謝しております。

さて、新入学お祝い金事業の受給者794人は、子どもが2人、3人といる世帯で、収入は平均153万円で、生活費にも困る世帯で、預貯金がゼロあるいは10万円以下の世帯が4割でした。教育費に困っている世帯の厳しい実態がわかります。また健康状態が悪い、あまりよくないと答えた人も3割以上で、それでも働いていました。詳細はこの報告書を見ていただければと思います。

このひとり親にでは全部支給の所得制限が上がったことについて聞きました。所得制限が上がったことを知らなかったひとり親が3分の2いました。また所得制限が上がったことで就労収入を増やしたいと答えた人も23%いらっしゃいました。つまり、この方たちは、児童扶養手当の全部支給の所得制限130万円に合わせて仕事をセーブし就労調整していた可能性があります。地方にいくと月収10万円の母親が多い。とても教育費の捻出は厳しいです。シングルマザーの月収10万円を月収15万円にしたい。

このためにも、全部支給の所得制限を年収ベースで200万円にすることが必要ではないか。と提案させていただきます。

もうひとつ、支給回数の問題です。まさにこの11月から、年6回の隔月支給が始まります。改めて、これまでのご努力に感謝いたします。

支給回数について新入学お祝い金受給者に聞いたところ、支給回数は6回になってうれしいと答えた人が65.5%で「家計の管理がやりやすくなる」「生活が楽になる」「4か月目の生活が厳しかった」「赤字が早く補える」などの回答がありました。とともに、「毎月支給だとなおよい」という答えが多かったのです。ぜひ毎月支給になってもらいたいと思います。

最後に高校入学のときのかかった費用は平均で約30万円かかります。高校に子どもを生かせるひとり親は文字通り死に物狂いで、食費を削り、ダブルワークし、入学費用を用意しています。

低所得世帯に給付される「高校奨学給付金」は8万円、あるいは10万円が教材費として給付されますが、支給されるのは秋以降です。

就学援助の入学前準備金と同じく、高校の奨学給付金も前倒し、せめて4月支給となることを強く要望いたします。

もちろん、児童扶養手当の支給額が上がることが望ましいわけですが、まずはできることから要望させていただきました。


◆「児童扶養手当の窓口ハラスメント、未婚母子調書について」 NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ関西 山口 絹子

児童扶養手当制度は低所得のひとり親に支給される社会保障制度でひとり親にとってのセーフティーネットです。
これまで兄弟で2人目、3人目の子どもへの支給額が増額されたり、4カ月に1回支給が隔月支給になり毎月の家計を管理していく上で大きな改善となり歓迎しています。私たちは児童扶養手当がひとり親の生活の安定と自立を支えていく上で更なる改善をもとめるものです。

その一つは現況届時の窓口ハラスメント問題があります。年に1回役所の窓口に行き、児童扶養手当を次年度も継続して支給してもらうための書類(現況届)を提出するのですが、この書類がひとり親のプライバシーを著しく侵害しているのです。

昨年は大阪府下で妊娠の有無を確認するという考えられない人権侵害の対応をする自治体があり、すぐにその自治体に抗議したり、実態把握のためアンケート調査を行い、厚生労働省から「プライバシーに配慮して児童扶養手当の事務運営をするように」と事務連絡が出されました。私たちは、これで来年は大丈夫と思っていました。

ところが、この事務連絡がその後の主幹課長会議で改めて注意喚起されているにもかかわらず、今年、また同様の事態が起こったのです。

交際相手についてチャート式で根ほり葉ほり聞く。妊娠の有無確認、妊娠したら役所に届けるようにとの注意書き。月2回男性の家に行ったら事実婚扱い。交際相手との食事回数、週何回宿泊するか記入。今年も全国各地でプライバシー侵害のひどい実態が次々とネット上などでも出されました。

このような窓口ハラスメントに対し、受給者からは「こんな思いをするのは嫌だから受給をやめた。」「窓口での質問が懲罰に感じる。」「毎年憂鬱。まるで母子家庭への罰則のよう」という悲痛な声が上がっています。

自治体側は「事実婚、不正受給を防ぐのが目的」としていますが、事実婚の定義はあいまいです。厚生労働省の1980年通知でも「事実婚とは別居でも頻繁に定期的な訪問があり、かつ定期的に生計費の補助を受けている場合」としていますが、明確な定義はなく自治体判断となっています。

児童扶養手当は低所得のひとり親の生活保障として支給されるのでそれだけでもスティグマを感じる受給者がいるのに、この窓口ハラスメントは当事者を更に落とし込み「もう、役所の世話にはならない!」と孤立化させ、自治体のサポートを拒否し、さらに経済的にも追い込まれてしまい、子どもへの虐待などの遠因になる危惧もあります。

児童扶養手当の目的である「児童の健やかな成長のため」にも窓口ハラスメントなどプライバシー侵害に対し、善処していただきますようお願い申し上げます。

《窓口ハラスメントへの怒りの声》
●沖縄地方のシングルマザーさんからのメッセージ

私はDVで離婚しました。
辛い思いをして離婚しているのに、なぜ交際する男性がいるとか聞かれなければいけないのか?と、怒りを覚えました。

「元夫との面会交流あるか?」「養育費を受け取っているか?」までなら理解できますが、「妊娠しているか?」「生活費を貰っているか?」「交際相手がいるか?」まで聞かれる必要があるのでしょうか?

男性と関わる事、会話することさえも嫌で避けているのに、交際や性交なんてとんでもない。
何故心の中をえぐるような事をされなければならないのでしょうか?

児童扶養手当現況届での質問は、
「あなたはパートナーから生活費をいくらもらって家計をやりくりしていますか?」
「あなたは妊娠していますか?」
「パートナーとSEXしてますか?週に何回?月に何回?どこで?」と聞かれるのと同じに思えます。

現状届の書類に記入しながら、なぜこんなことを聞かれるのだろうと惨めな気持ちになり、何度も筆が止まってしまいました。

一人親家庭だからと何でも聞いていいものではないです。

自分たちが聞かれたら平然と答える事ができますか?

これまでこのような人権侵害がおかしいと思われず、全国で行われていたということに驚きと悲しみを感じます。

ひとり親が胸を張って生きられる社会になってほしいと思います


◆厚労省児童家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長 度会 哲賢


児童扶養手当制度では皆様からいろいろとご指摘があり、ご迷惑をおかけしておりますが、現況届における事実婚の確認事項等につきましては、昨年8月末、地方自治体に適正な事務運営を行っていただきたいと事務連絡を行いました。

やはりまだ問題があるという声を聞き、今年9月30日に事務連絡ではなく、改めて家庭福祉課長通知という形で、各自治体の方でプライバシーの保護に配慮した事実婚支給要件の確認法方法に関する留意事項についてという形で具体的な留意事項を示させていただきました。

今後自治体がどのような改善を図っていくかをしっかり見ていきたいと思っております。何かありましたらご意見をお寄せいただければと思います。

支給回数につきましては、今まで年3回でしたが、今年11月から年6回に変更になりました。

毎月支給のご要望をいただいておりますが、年3回から6回への変更後、自治体の実施状況を確認しながら検討させていただければと思います。

所得制限につきましては、130万円から全部支給について160万円まで引き上げております。5年毎に行うひとり親世帯等調査を参考に引き上げを行っております。今後も実態等を見ながら確認していきたいと思っております。


◆自由民主党 長島 昭久 衆議院議員

私は外交や安全保障を専門に携わるために国会を志しましたが、2015年、川崎市でひとり親家庭の上村遼太くんが遊び仲間にカッターナイフで切り刻まれて亡くなられた事件で衝撃を受け、子どもの貧困の問題に取り組むようになりました。

子どもの貧困問題は、女性だけの問題でもない、男性だけの問題でもない、まさに次の世代である子どもたちをどうするかという大事な問題で、リベラルの人たちの専売特許でも何でもない、保守もリベラルもない、今の国会議員が一生懸命に取り組むべき問題だと思っています。

この問題に取り組むのは女性の議員が多いですが、男性も一緒に頑張って党派を超えて、今我々に課された最大の政治使命だと思っていますので、とにかく放置しない、次の世代に任せない、我々の世代でしっかり解決していきたいと思います。


立憲民主党 桜井 周 衆議院議員

子どもの貧困に関する様々な取り組みについて、昨日も地元の兵庫で話をうかがっております。
例えばDV被害の件、今現在の日本の対応は、加害者は放置されていて、被害者の方が逃げている状況です。おかしいじゃないかと。そもそもなぜ被害者が逃げないといけないのか。被害者が苦労しなきゃいけないのか。逆じゃないのか。

このようなそもそものところに立ち返って取り組むことが本来必要だなと思っております。とはいえ、そもそも論に立ち返っていると、目の前の困っている方たちがどうにもならないということになってはいけませんので、目の前の問題も一緒に取り組んでいきたいと思って日々活動しております。


◆自由民主党 田畑 裕明 衆議院議員

この全国協議会の立ち上げやこれまでいろんな活動を踏まえて、皆さんがひとつに声をまとめて取り組んでらっしゃることに敬意を申し上げたいと思います。

寡婦控除税制について、私、去年厚労部会長代理であり、党の税調でも発言をしたところです。もちろん本年度新たに結論を出せるように与党としてしっかり責任のある取り込みをしたいと思っています。

児童扶養手当の支給関係においても、厚労委員会で取り組んできたところでございます。ひとり暮らし、またシングルの方の声を全国から受け止めて取り組んで頑張っていきたいと思っています。超党派の先生方と連携をしながら役割を果たして参りたいと思います。



◆「仕事と子育て両立支援(日常生活支援事業、ファミリーサポート)の充実について」 福岡県 NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ福岡 大戸 はるみ

私たちの団体は、福岡市1人親家庭支援センターの指定管理者となって、管理運営に当たっています。その中でひとり親家庭と日常生活支援事業を実施しています。

この制度は、一時的に家事・育児ができない時に、家庭生活支援員(ひとり親のOBの方)を派遣してもらい、自宅で家事援助や保育サービスが受けられ、他に頼る人がいないひとり親家庭の助けになっています。

しかし、厚生労働省のホームページにも「制度を設けていない都道府県に居住されている場合は、支援の対象となりませんのでご注意下さい」とのただし書きがあります。

また都道府県、市町村、政令市、中核市などによって制度の取組みはさまざまです。

ひとり親家庭等就業自立支援センターが制度を実施しているケースが大半ですが、各地にヒアリングすると、「制度はあるが派遣する支援員がいない」、「支援員が高齢だ」という担い手が少ないという問題と「急な支援依頼に対応できない」など使い勝手の問題があります。

今回、全国協議会ができて、各地の団体と情報交換するなかで、制度そのものが周知されていない地域もありました。

ひとり親が仕事と子育てを両立するために、誰かの助けがあるのと無いのでは、職業選択の幅が違います。また、親の疲労度も違います。

各地でどのように実施されているのか、調査をお願いします。

子育てをサポートする制度に「ファミリーサポート事業」があります。社会福祉協議会が実施しています。福岡市の場合、利用のベストファイブは、①保育園、幼稚園の帰宅後の預かり、②子どもの習い事の援助、③親の外出時の援助、④保育所、幼稚園の迎え、⑤親の短時間、臨時的就労時の援助です。

日常生活支援事業では「子どもがケガをしたので、登下校の送り迎えをすると遅刻、早退になってしまう」といった送迎のみの支援には使えません。その場合、ファミリーサポート事業で近隣の援助会員に頼むといいのですが、1時間当たり600円かかり、送迎は更に100円追加となります。日々の生活がパートの場合、毎日の現金支出は家計の大きな負担となります。

日常生活支援事業なら、非課税世帯は無料、課税世帯でも児童扶養手当を受給していれば、1割の150円ですみます。

仕事と家庭の両立、雇用の安定、将来への展望などを与えてくれる両制度を安価に利用できるよう、減免制度の検討をお願いします。


◆厚労省児童家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長 度会 哲賢


日常生活支援事業ですが、ひとり親家庭のための事業として、児童福祉法で位置づけられた事業になっております。

全国916カ所で現在実施されていますが、自治体の取り組みということで、厚生労働省からも一生懸命取り組みをお願いしております。

ご指摘があったように「支援員がいない」、あるいは「急な対応ができない」というところは今後改善していくべき課題だと思っておりますので、自治体に対し事業の推進を厚労省としても支援していきたいと思っております。


◆自由民主党 宮崎 政久 衆議院議員


私を十数年支えてくれている身近なスタッフも母子世帯で、厳しい状況であることを十分に知っており、私も様々な面で一緒に歩いているという状況であります。 

今日はたくさん勉強するべきことがあります。私自身あらためて体感するようにつとめ、同時にみんながこれをしっかりと受け止めることによって、いくつもの克服すべき知恵と熱意が出てくると思っております。
皆さんと一緒になって頑張ってまいりたいと思っております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。




◆「生活保護制度の改善について〜生活保護と車の使用」富山県 NPO法人えがおプロジェクト 出分 玲子

私は母子世帯の生活保護率の地域差から価値のない車の所有については認める方向で生活保護制度の見直しを求めたいと思っています。

私は、離婚を決意すると同時に、小学校の教員になりました。一度退職しているので、臨時的任用講師としての採用でしたが、学級担任をしていました。そのときにクラスで見たのは、能力があっても発揮できない子ども、不登校、いじめ、虐待を受けている、病気も進行してしまうなど、家庭の経済環境が子どもたちに与える影響の大きさでした。

現在、ひとり親家庭を支援する活動をしていますが、活動をとおして知り合ったシングルマザーはDVによって離婚した人が多いと実感しています。また、自身が障害を持っていることも多い。彼女たちは、体調が悪く思うように働くことができない、よって経済的な不安などからストレスをため込み、子どもたちが不安定になり、不登校、引きこもりにつながっていることも少なくありません。

中には、生活苦から逃れるため再婚したシングルマザーがいますが、再婚した相手が子どもを虐待する人だったので、彼女は再びシングルマザーに戻りました。また、子どもを3人もつシングルマザー、彼女はだんだん生活が乱れてしまいネグレクト状態になり、現在小学校3年生の長男が万引きなどの問題行動を繰り返しているという現実もあります。

「日本は仕事をしても貧困率が下がらない唯一の国」。日本では、働いていても貧困率が高いのですから、シングルマザーにとって、生活保護は最後のセーフティネットです。生活保護を受けやすくすることは、子どもたちの安定にも直結します。

ところが、生活保護を受けにくい現実があります。富山県は、母子世帯の生活保護率が日本一低い。平成29年度に生活保護を受けた母子世帯は富山県全体で約8000世帯のうちの52世帯です。もちろん、プライドから生活保護を受けたくないという人もいます。しかし、多くは「車をもっているから無理」とあきらめてしまっているのです。車の使用は一部認められているものの、「車をもっていると生活保護が受けられない」と多くの人が認識し、窓口の水際作戦でも使われがちなフレーズです。

そもそも車の所有を原則認めないことにも問題があると感じています。「交通事故が起きたら」「維持費がかかるから」ということもそのとおりですが、車がないことの方が自立を阻みます。地域によっては車は必需品です。富山は、冬には雪が降り積もります。雪道の轍を幼い子どもを連れて保育所に通う。子どもの突発的な病気の時も自転車で病院へ連れて行く。仕事に行くときも自転車やバスで行ける範囲の地域から探す。これでは自立が遠のきます。東京に来てまず驚くのは電車の便の多さ。目の前を電車が行ってしまったとしても、数分待ったら来ます。富山では乗り遅れたら、普通数十分待つことになります。母子世帯の生活保護率の地域差は、車がなくても子育てに支障のない都市部でなければ、生活保護は受けられないということを意味するのでしょうか。

現在少子化が問題になっていますが、今困っている親子を支援することこそ優先すべきではないでしょうか。水際作戦で生活保護の申請を受け付けないことが、未来の日本を支える今生きている子どもたちに厳しい状況をもたらしているということを知ってほしい。「子供の貧困をこのまま放置しておくことは42兆円の社会的損失を生む」と試算されています。経済的に安定した生活の中で思うように勉強し、進学し、就きたい仕事に就いて税金を納める。これこそ、日本の繁栄につながると考えます。今の生活保護費が、子どもたちの人生に明るい光をさしてくれるのです。

「貯金が5万円になったら来てください」と窓口で言われたお母さんは、「よかった」と安堵の表情を浮かべていました。彼女は、障害を抱え、子どもには習い事も旅行も「がまん、がまん」と言い聞かせ、ようやく貯めた貯金を切り崩しながら生活しています。彼女の貯金が5万円になったとき、「車があるから、申請はできません」と言われることのないように、車の所有については価値のない車両の場合認めていただきたいと願います。


◆自由民主党 堀内 詔子 衆議院議員 

養育費問題のプロジェクトチームの座長を務めさせていただいております。

子どもの貧困、貧困家庭の多くが母子家庭による貧困と言われています。また、子どもが大切で、子どもが生まれることが国にとっての大事なプロジェクトだと言いながらも、子どもの6人に1人が貧困にあえいでいるという現状がございます。

お母さんと子ども、そのご家庭がしっかりと様々な困難に負けずに、立派な子どもを育てていける、そんな家庭であってほしいと心から願っているところでございます。

養育費問題のプロジェクトチームにおいて、今の日本の国の制度で、別れた後の夫が十分に養育費を払わないことが大きな問題です。

国によっては、養育費を強制的に給料からさっぴく、自動車免許と国民の情報が紐付きになっており、免許更新時に養育費の支払い有無が確認できるような国もあると伺っております。

日本において女性が離婚して子どもを育てる際にも十分な環境の中で育てていけるように、システム作り、制度づくりについて諸外国の事例を見習いながら、しっかりと勉強して進めていけることができればと思っております。


自由民主党 杉田 水脈 衆議院議員

私、専門が少子化対策、子育て支援でございます。国会の閉会中、単独でフランスでの子育て政策を勉強して参りました。特に家族基金について話を聞きました。

非常に感銘を受けたのは、すべての政策の中心が子どもなんです。その子がシングルマザーの子であっても、シングルファーザーの子であっても、とにかく子どもを貧困にさせない。そのためにはどういったサポートが親に必要なのか、そこが全ての出発点なんですね。何よりも家族を大事にするということをフランスの方はおっしゃってました。
日本は家族を大事にと言いますが、本当にそうなのかと眼から鱗でした。

寡婦控除の問題にしたって、未婚が除かれたりすることだって、子どもを中心に考えればそんなことは起きてこないだろう、保守政治家は何をやっているんだと非常に憤りを感じたところでございます。

公的機関が養育費の取り立てを行うシステムが確立されている国もあります。養育費がしっかりと払われれば、子どもの貧困の7割位は解決すると思っておりますので、そういったことを国が取り組み、制度化していく事に尽力して参りたいと思います。


◆国民民主党 白石 洋一 衆議院議員

私のスタッフがシングルマザーで、この世界に飛び込んでこられた方です。ひとり親の方にはなかなかお会いできません。たまたまお会いしたら、非常に苦しい切実な生活をされている。でも何か負い目があって、後ろめたさがあって。つまりシングルマザーであることを、社会が追い詰めているところがあるんじゃないか。

シングルマザーであることが何か問題があるんですか、これが私の生き方ですよ、と社会が認めるようになったらなと思っています。

この分野は貧困の他にもたくさん課題が集まっているところなので最優先だと思います。特に離婚して養育費を約束しているのに払わないのは、とんでもないことだと思います。これを解決するために頑張っていきたいと思います。



◆「養育費の取り立て、共同親権について」 静岡県 シングルペアレント101 田中 志保

養育費確保のため、不払いの養育費を立て替える民間保証会社への保証料を助成する制度が自治体で導入されはじめています。兵庫県明石市を皮切りに、大阪市、滋賀県湖南市と続き、ひとり親の貧困原因のひとつが解消される動きを私たちは歓迎しています。これが全国の自治体に波及し、国の施策となるよう、皆様のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。

このように良い流れがある一方で、法務省が「共同親権」導入の是非を議論する研究会を立ち上げ、面会交流を積極的に実現し、子どもの養育環境を整えることに資するかどうか議論するというニュースに私たちは戦々恐々としています。

法務省は、「共同親権」と「面会交流」を一緒くたに考えてしまっているのではないでしょうか?

2011年の民法改正により、家庭裁判所の調停、審判、裁判では、DVがあっても積極的な面会交流が原則決まるようになりました。DVがあっても、子どもへの虐待はなかったと判断されてしまいます。また、精神的DVは親子へ与える影響が大きいのに、裁判所ではたいしたことないと言われてしまいます。さらに面会交流を求めるのであれば、できることは、安心安全な面会交流支援機関を増やすことのみです。

DVで離婚した場合、共同親権は、永遠に加害者から離れられない拷問です。選択制でも、元夫婦の力関係が平等でなければ、強い力をもつ方への恐怖から、イヤとは言えず承諾してしまう可能性も十分想定されます。

また、共同親権でひとり親の貧困が解消されるという主張もあるようですが、それは間違いです。養育義務は現在の単独親権の制度でも行われるべきものです。ひとり親の貧困は、社会に原因があります。

男性は仕事、女性は家事・育児といった、性別に偏った役割分担や、フルタイムで働く男性の平均賃金を100とすると女性は70しかもらえていないという賃金格差をなくし、正規・非正規の待遇の違いをなくし、安心して働けるための日常的な子育て支援機関や決められた養育費がきちんと支払われる状況を作れば、ひとり親の貧困は解消されるのです。

養育費確保の施策が開始され、私たちは貧困解消に向けて一歩踏み出しています。共同親権によって心身ともに後ろにひきずられたくありません。

また、メディアの方にお願いがあります。「会えない親の立場」だけの一方のみの取材をして、「連れ去りがひどい」というような報道はやめて頂きたいです。是非「当事者両方」の取材、あるいは両方を代弁する者の取材をして頂けるようにお願いいたします。

最後に、離婚調停中の方からの手紙を紹介します。

”わたしは4歳の男の子の母です。以前都内に住んでいましたが、生活費をほとんど家にいれず、わたしの貯金もとりあげ、暴力もふるう夫から逃げるように生後間もない子を連れて実家に帰り、四年が経とうとしています。母乳しか飲まない息子を、夫がつれ帰ろうと押しかけてきたこともありました。最近は未成年者略取でわたしを刑事告訴しようと試みており、先日警察から連絡がきました。

わたしは、このような夫と、共同親権をもつことできません。そうなれば、また夫の支配下に置かれることとなり、子を安全に養育できる場を失ってしまいます。共同親権が子の福祉につながらないことを、この場をお借りして、はっきりと申し上げたいと思います。

共同親権導入については、どうぞ慎重な検討を何卒よろしくお願いいたします。


◆「安心な面会交流について」 広島県 NPO法人こどもステーション 奥野 しのぶ

わたしは、子育てひろばを運営し、面会交流支援を行っている立場から、DVがあった場合の面会交流とその安全の確保の必要性についてお話したいと思います。

離婚後の子どもが、離れて暮らす親と会い、交流することを面会交流と言います。
平成23年に民法766条が改正され、夫婦が話し合いで離婚するときは、養育費や面会交流についてとり決めることが盛り込まれました。

それにより、離れて暮らす親に会いたくても会えなかった子どもが親に会えるようになりました。

しかし、夫婦間に葛藤があっても、原則的に取り決められるようにもなりました。

家庭裁判所では高葛藤と言いますが、その背景には身体的暴力、精神的暴力があります。暴力がある場合、その場にいた子どもには脳の萎縮が起こることが福井大の友田教授の研究で明らかになりました。

しかし、安心な状態での生活を続けることで、脳の萎縮が回復できるということもわかってきています。

子どもを守るために、DVから離れた親が、自ら日程調整や子どもの受け渡しを行うことは、DV加害者からの支配が再び継続されることになります。その間で、子どもは不安と恐怖を抱え、再び暴力の中に投げ出されるようなものです。

2017年、諫早市で子どもの目の前で面会交流中に自分の父親が母親を刺し殺し父親は自死した事件、伊丹市で面会交流中に子どもが殺害される事件が起こってしまいました。

DVがあった場合の面会交流は、安全な場所と監視員による付き添いを義務化するなど、慎重な取り組みが必要です。

そのために、DV防止法の更なる改正と、DV被害者支援に配慮した面会交流サポートセンターを全国に設置することを求めます。

現在、DV防止法の「配偶者に対する暴力」の定義は「配偶者からの身体に対する暴力」と位置付けられています。その定義を「配偶者への暴力」と加害者の問題に位置づけ、「精神的暴力」「性的暴力」「経済的暴力」がDVであることを明確にしてください。罰則規定を設け、更生のための教育の義務化と、「被害者の保護」に被害親子の安全確保と心理回復、自立支援、そして、監視付き面会交流をおこなうための「面会交流サポートセンター」設置を急いでください。

さらには、現在進行中の厚労省ひとり親支援事業の「離婚前後の“親支援講座”」がDV被害者の意向に反し、面会交流取決めの促進に傾くことの無いよう慎重に進めていただきたいと存じます。

よろしくお願い致します。


◆法務省 民事局参事官 山口 敦士

法務省研究会は、共同親権の導入ありきで始める研究会ではございません。共同親権の導入につきましては、これまでも様々な方面からいろいろなご指摘をいただいておりますので、法務省としましても導入ありきで検討するのではなく、方針を定めずに検討して参りたいと思っております。

2件ほど付け加えさせていただきたいと思います。
今回のメインテーマであるお子さんの貧困の問題で、親権の有無にかかわらず、養育費の支払い義務は発生するというご指摘がありましたが、まさにその通りです。そこは共同親権の問題とは全然リンクしていないというのが法務省の認識でございます。

それからもう1点。法務省に対して疑念を投げかけられましたけれども、共同親権と面会交流がリンクしたものだと考えているのではないかと言うお尋ねがございました。私どもは全くそうは思っておりませんで、それも法律上明らかなことであろうと思っております。

ただ共同親権制度の導入を主張しておられる方の中に、面会交流をしたいから共同親権を導入したいというふうな議論があります。そうであるなら、本当の目指すところは共同親権制度ではなくて、面会交流なのかと思っておりまして、それでテーマの候補の1つとして今検討しているところでございます。


立憲民主党 打越 さく良 参議院議員

つい最近まで弁護士として、虐待を受けた子どもたちの事件を専門として頑張ってきました。

様々な相談を受けましたところ、虐待やDVに苦しみながらも離婚した場合にどうなるのかというと、そんなに離婚後の暮らしが大変になるんだったら我慢したほうがいいんじゃないか、という方もおり、親自身も子どもも尊厳が守られないような時代になっているのかなということをとても辛く思っていました。

面会交流、養育費についても、養育費について取り立ての制度を自治体が必死になって取り組んでいますが、国としてやるべきだ、面会交流についてしっかりと安全を確保するべきだと、2013年に日弁連として提言しましたが、全然改善されていないという状態があります。

今後は議員としてしっかり国政の場で実現できるように頑張っていきたいと思います。


◆立憲民主党 塩村 あやか 参議院議員


私自身、父と母が長く離婚で争い、養育費の部分でもかなり苦しい思いをしながら育ってきました。ある日突然父親から支払いを止められ、学生会館を追い出された経験もあります。

母が3人の子どもを抱えて、美容師として再度お店を開いて育てあげてくれた姿を見て育ってきました。

面会交流については、本当に思うことがあります。Facebookを始めてから、連れ去りが多いと当事者の男性からメッセージをいただくのですが、私自身の経験として人それぞれであり、会いたくないと思っているお母さんや子どもがいる事は私自身の経験からもよくわかります。今後私ができる事は皆さんと協力をして進めていきたいと思っております。


自由民主党 船橋 利実 衆議院議員

私、前職が北海道議会議員、その前が北見市議会議員で、母子寡婦関係の方々と平成3年からずっと関わりを持って活動をして参りました。

今も、北海道母子寡婦福祉連合会さんとお付き合いがあります。本来行政が母子寡婦の皆さん方に様々な配慮すべきはずが、母子寡婦会に入り、働く方々の仕事や収入の安定のため、庁舎の清掃業務を委託しているにも関わらず、その予算を削減しようとする。更に、団体の運営費を予算がないから削ろうとする。こうした役所の人たちと対峙することが私のこれまでの役割でした。

寡婦控除税制、養育費の取り立て確保、共同親権の話等をお聞きしましたので、これから皆さん方のご要望を叶えられる努力をして参りたいと思います。

その中で児童扶養手当の現況確認については、どのような方法が良いのか、逆に我々や行政に対してご提案をいただいた方が良いのではないか。中には不正行為を働く方々が実際には存在する実態も踏まえた中で、どういう形が良いのかをご提言いただければと思いました。

今まで我々がやってきた、ひとり親家庭等日常支援事業について、厚労省の予算が足りな過ぎると思いました。例えば子育て支援で、740円から900円に拡充していますが、最近は最低賃金が861円に上っていて、仕事の中身を見れば負担が大きい仕事の割に金額が少ないと思います。厚労省がこの予算を増やしていかないと支援が広がっていかないということなので、これは我々政治の責任として頑張ってやってきましょう。


碧水会 ながえ 孝子 参議院議員

衆議院議員から落選し、この7月に選出されるまでの6年間、訪問活動やいろいろな団体の方とお話しさせていただいて、多くのシングルマザーの声を聞かせて頂きました。

シングルマザーには、なかなか声を上げられない方も大勢いらっしゃって、皆さんの後に大勢の仲間がいらっしゃることも存じております。

今日は心に染みる言葉もいろんな実例もたくさん勉強させていただいたので、また一緒に皆さんと頑張らせていただきたいと思ってますので、よろしくお願いいたします。


◆社会民主党 福島 みずほ 参議院議員

私自身は、夫婦別姓やいろんな考えから事実婚で、婚外子差別撤廃の住民票戸籍法定相続後の差別撤廃などの裁判をやってきたり、まさにシングルマザー、とりわけ非婚の人たちの課題を自分の問題として、趣味と生きがいと実績を兼ねてやってきました。

ひとつはシングルマザーの就労が年間200万円で安いという問題。なぜ女性の賃金が子どもを抱えていて、こんなに安いのかというのが日本の究極的な問題だと思っています。

もう一つの問題は、同じシングルマザーの中でも、死別、離別、非婚と序列があるわけではないんですが、非婚の部分の問題が解決していない。寡婦控除税制、生活保護や様々な面会交流、共同親権をめぐることなどについても国会の中でやっていきたいと思います。

暴力について、国会会期中に許可をいただいて、台湾で開催される、世界女性シェルターシンポジウムに参加します。そこで女性と子どもに対する暴力をなくすという問題と母子家庭の問題とリンクさせて、さらに頑張っていきたいと思っております。


内閣府 子供の貧困対策担当総合調整担当 参事官補佐 平田 菜摘

子どもの貧困対策担当として、今年度中に大綱の見直しを行っております。こちらの大綱の見直しは、有識者会議の方でご議論いただきまして、8月にいただいた提言をもとに大綱案を作成しております。その中に本日お話のあった児童扶養手当制度の実施の件と養育費の確保の推進というものを位置づけて盛り込んでおります。この2つが経済的支援の柱のなかに盛り込まれております。

子どもの貧困の問題は、究極は親の貧困の問題である、という事は有識者会議の座長の方でも大変深く認識をされており、経済的支援の視野が足りないのではないかという事は常々言われておりました。

今回の大綱案に盛り込み、今後各制度官庁へ議論が進んでいきますが、その制度が子どもの貧困に資するものである事は、この数年間でかなり認識が広がってきていると思います。子どもの貧困対策を進める上でも、こういった制度の改善が必要であると大綱にも位置づけられていることを、制度改善の後押しにしていただきたいという気持ちで内閣府でも取り組んでおります。


◆国民民主党 矢田わか子 参議院議員

国民民主党では、男女共同参画推進本部の事務局長を担当していますが、党内で養育費の確保に関する法案化に着手いたしました。年度内に収めて、来年度には提出できるよう進めております。

明石市で泉市長のパワフルでエネルギッシュな「何が何でも子どもの命が大事なんや!」と言う意気込みを私たちも倣って、本気で取り組んでまいります。

私の事務所にはシングルマザーからの意見や要望がたくさん届いております。そのなかには、養育費をもらえても社会保障の枠組みを相手が外さないという案件が出てきました。そうすると自分の税的控除にできない、それを法的に強制権を発令して外してください、ということができないんですね。相手の男性が養育費を払っているから、自分が扶養しているのだと男性の扶養控除に入れてしまうという事で、シングルマザーが働いているので税控除をつけたいけれどつけられない、社会保障の枠組みに入れられないという問題も浮上してきております。この問題も取り上げ、党の中で論議を始めております。


◆自由民主党 木村 弥生 衆議院議員

最後まで参加していただいた先生方、政府からは政務官が私を含めて4人、さらに内閣府、厚労省、法務省からもお越しいただきまして、本当にありがとうございます。

この問題は、実現していかないと意味がない、待ったなしの課題であり、そしてこの課題が解決することが貧困対策や児童虐待対策、そして少子化対策になると信じております。

私は赤石さんのエネルギッシュな活動に大変感銘を受けました。私でできる事は何でもさせていただきたいと思っております。

埼玉では大変悲しい乳児の遺棄の事件がございました。
もうこんなことが日本で二度と起こらないようにしっかり頑張って参りましょう。今日はありがとうございました。


◆国民民主党 小宮山 泰子 衆議院議員

つい先日、仙台での生活困窮者自立支援全国ネットワークの全国研究交流大会に国民民主党を代表して出席してまいりました。

シングルマザーの問題、おひとり様ということで、住宅補助制度を作ろうと動き始めましたので、これからもいい知恵をいただければと思います。



◆シングルマザーサポート団体 全国協議会 代表 赤石 千衣子

7月にシングルマザーのサポート団体を作りまして、シングルマザーの本当の声を国会に届ける責務もあると思っております。今後とも皆様に声を届け、社会の中で良い支援を広げていくのが私たちの使命だと思っております。ぜひご協力頂ければと思います。

今日は国会議員の皆様、関係省庁の皆様、参加者の皆様、メディアの皆様、ご協力頂きましてありがとうございました。

最後に、12月には与党税制調査会で来年度の税制での検討が始まると思います。その中で寡婦控除税制についてもう一度検討がされると聞いております。本当に待ったなしの課題でございます。ぜひぜひご協力いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
皆様、ありがとうございました。