6/1 ひとり親のための「教育費セミナー」 体験談の交換もでき、大好評でした

ひとり親のための「教育費セミナー」を6月1日にオンラインで開講しました。53人が参加しました。

講師はCFP(サーティフィケイテッド・ファイナンシャルプランナー)の中島智美さん。

NPO 法人等の相談員の他、自治体職員向け保障相談会の相談員として2000 人以上の相談を担当。主には企業研修、資格学校、大学講師等の講師を中心に、執筆、相談業務を行っています。

また、ご自身もシングルマザーで、ダブルワークをしながら、2人のお子さんの教育費を捻出した「先輩」でもあります。

幼稚園から高校まで、公立でも596万円

幼稚園から高校までにかかる「学習費」は公立で596万円、私立で1976万円(文部科学省「子供の学習費調査」2023年度)。

小中学校には就学援助制度があり、給食費や教材費の減免が受けられます。

当座、お金がかかるのは高校進学の時です。入学時に平均で公立が11万8900円、私立が105万3000円かかります。

この関門に備えるため、中島さんは、1万円ずつ貯金を提唱しました。0~18歳までの累計で児童手当は234万円、自治体の児童育成手当は291.6万円もらえます。東京都の場合「018サポート」も108万円受け取れます。このほか国の児童扶養手当もあります。

この中から毎月1万円ずつを貯金にあてると18歳までで216万円になります。

大学進学の支援制度も詳しく紹介

大学進学についても手厚く説明がありました。授業料の減免と給付型奨学金を組み合わせた国の修学支援新制度が理系の学生と第三子を対象に拡充されたこと。無利子で借りられたり、資格取得で返済が免除になったりする貸与型奨学金についての紹介もありました。一方で、こうした奨学金を利用するには高校1年から一定以上の成績を収めることが要件になっています。中島さんは、早いうちから子どもと将来について話しておくことの重要性についても触れられました。

質疑応答では大学の給付型奨学金についての質問に、参加者で利用した経験を持つ人から答えが聞けました。講師が答えられない質問も経験者の話で疑問点が解決できたほか、学校事務としてお勤めの方からも参考となるコメントを頂けました。

また「子どもの将来について親子でどのように話したのか?」や、離島に子どもを送り出した人の経験談、通学にかかる交通費問題など、参加者間の情報交換が続き、お互いにエンカレッジできる時間となりました。

事後のアンケートには39人が回答。子どもに関する支援策では「給付型奨学金や授業料減免」「無料学習塾や習い事の費用軽減」「教材費の費用負担軽減」などを求める人が目立ちました。

【参加された方の感想】

〇具体例をたくさん教えて頂いたので、自分では考えもできなかった情報源を知ることができて安心材料になりました。少しでも可能性があることを知るだけで親子で準備も出来ますし、心づもりをして明るい未来に近づいていければと思います。

〇先生のお話はとてもわかりやすく、無駄がなくて、すごく参考になりました。以前、別の団体の教育資金に関するオンラインセミナーを受けたことがありますが、今回の内容の方が具体例が多く、深く掘り下げられていて、とても勉強になりました。また、他のひとり親の方の声も聞けて、励まされました。

〇中島さんがとても明るく過去の体験をお話くださったのが、よかったです。聞いていて、希望になりました。子どもも焦って将来を決める必要はなく、いくつになってもチャレンジしていいんだよ、と声をかけてあげたいな、と思いました。

〇子ども3人に教育を受けさせていけるのか、自分の老後はどうなるのか、漠然とした不安しかない日々ですが、少し希望が持てました。勉強が苦手な子どもに無理矢理進学させる必要はないのかと最近思うようになっていたので、いろんな選択肢を教えていただき、調べてみようかと思います。

〇制度の具体的な説明、いつから準備すればいいかが大変分かりやすかったです。その場になって慌てずに進めようと思うことが出来、先が少し見通せるようになりました。