ひとり親家庭サポート団体全国協議会 第1回大会を開催
ひとり親家庭サポート団体全国協議会(JSPF)は9月7〜8日、東京都渋谷区の国立オリンピック青少年総合センターで第1回大会を開きました(オンライン併用のハイブリッド方式)。昨年まで5年間、「シングルマザーサポート団体全国協議会」として活動してきたネットワークを土台に、今年4月、東京都よりNPO法人としての認証を受けました。全国32団体が加盟しています。
1日目はJSPFの会員による通常総会で、会場20人、オンライン8人、委任状3人の出席で議事を進行しました。
2023年度の事業報告、会計、監査報告書ならびに、2024年度の事業計画書、活動予算書をいずれも全会一致で承認しました。
法人設立後、2年度となる2024年度は加盟団体の情報交換会、セミナー、支援団体の立ち上げ支援、支援団体の基盤強化プログラム等の事業のほか、ひとり親家庭等に関する調査研究、政策提言、人材育成に力を入れていく計画です。
研修では2人の講師から実務に役立つお話を聞きました。
公認会計士による「NPOにおける会計の基盤強化」と弁護士による「共同親権制度の導入と今後、支援側ができること」です。いずれも制度や法律の基本的な部分から、学ぶことができました。
2日目は「ひとり親家庭サポート団体全国協議会第1回全国大会in 東京」を一般、メディアを含む105人の参加で開催しました。
開会にあたり、ひとり親施策とかかわりの深い加藤鮎子・内閣府特命担当大臣と永岡桂子・元文部科学大臣 母子寡婦福祉対策議員連盟会長からメッセージを頂きました。
JSPFの赤石千衣子理事長はあいさつで、「私たちのビジョンは、ひとり親と子どもたちが多様な家族として尊重され、豊かにつながることが出来、一人一人が力を育み、安心して挑戦し、自由に未来を選択できる社会の実現です。ひとり親と子どもたちの声を行政に届けていくこと、支援団体が全国各地にできるように応援していくこと、支援者が孤立や疲弊しないように情報交換しながら助け合っていくことを誓ってまいりました」と述べました。
米不足と価格高騰に困っているひとり親世帯が多いとし、「子どもたちがご飯が食べられないような社会であってはならない。政策提言を強化していきます」と話しました。
大会には、三宅伸吾・参議院議員(自民)、古屋範子・衆議院議員(公明)、水野素子・参議院議員(立憲)、横澤高徳・参議院議員(立憲)のご臨席を賜り、ひとり親の状況をよくしていくために力を尽くすと、お話をいただきました。
リレートークでは「養育費確保」、「児童扶養手当の所得制限」、「DV被害後の生活困難」、「民法改正と今後のひとり親家庭」、「地方のひとり親の困難」、「教育費の私費負担」、「居住支援」、「被災地のひとり親」のテーマで当事者9人が1人5分ずつ経験談を話しました。
宮城県在住のシングルマザーからは「子ども2人に障がいがあり、不登校となった。仕事をやめざるを得ず生活保護を受けることになったら、子の通院や療育に必要な自家用車を手放すように言われ困っている」と悲痛な訴えが出されました。
また民法改正で導入が決まった「共同親権」についても、「暴力や暴言があり、子どもが別居親とかかわりたくないと言っている」など不安視する声がありました。
その後、「児童扶養手当」「別居中の母子支援」「仕事と子育ての両立」「生活保護制度の改善」「民法改正に伴い緊急に対応すべき諸課題と養育費受領率向上」「就労支援」「教育支援」「医療費支援」「住居支援」「孤立防止」の10項目からなる行動計画と政策提言を発表。
最後に「わたしたちは、ひとり親家族がひとつの家族の形だと考え、誇りをもって生きていきます」から始まる「わたしたちの生きる宣言」を加盟団体の一人ひとりが読み上げながら前に出て行き、各自が最も大切にしていることをフリップで掲げ、この1年の活動への決意を新たにしました。