夏休み「1日2食以下」の子どもが41% 昨夏より7ポイント増 災害級の酷暑と米高騰の影響で
災害級の酷暑と米高騰の中で迎える学校給食のない夏休み。ひとり親とその子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか?
しんぐるまざあず・ふぉーらむでは2023年から毎年、夏休み中のひとり親家庭の就労生活調査を行っています。今年は3900世帯から回答を得ました。結果は米購入と食事の状況について、昨年より一段と厳しいものでした。
1日2食以下の子41% お米「買えない」66%
「昨日、子ども(末子)は一日何食食べましたか?」をたずねました。「1食」が3%、「2食」が38%で、計41%が「2食以下」という回答でした。これは昨年の34%より7ポイント高い数字となっています。その理由についても聞きました。「食費節約のため」と答えた世帯が65%と最多でした。

また1食あたり150円以下の暮らしは子1人の家庭で56%、子2人の家庭で61%にのぼりました。
「6月、家族が必要とするお米を買えないことがありましたか」とききました。「よくあった」26%、「ときどきあった」40%で、「買えない」経験をした世帯は66%でした。昨年の41%より25ポイントの大幅増です。7月13日〜20日の米5kgの平均販売価格は3,585円で、昨年の同時期の1.5倍となっています。

【自由記述より】
・食べるお米がほとんどない。対処方法はないので、空腹を我慢している。頂いた防災用のアルファ米を食べている。(東京都、50代、子ども1人)
・戦時中の食生活を参考にしている。(東京都、40代、子ども1人)
・米の値上がりが続き、買えないため、麺類、小麦粉を主食として過ごしています。子どももそんな生活を感じ取って、「お腹すいてないから」と言って1食しか食べない日もあります。成長期の子どもに我慢させている自分が情けないです。(北海道、50代、子ども1人)
備蓄米「買えなかった」50%
一方、備蓄米の購入状況については、「買いたかったが買えなかった」が50%を占めました。

【自由記述より】
・備蓄米は、開店前に並んだりネット販売だったり。フルタイムで働いていたら購入の仕方はわかるが買いにはいけない。(東京都、40代、子ども2人)
エアコン使用「控える」74%
「電気代節約のため、エアコンの使用を控えようと思いますか」との質問に、「とても思う」41%、「思う」33%で、4人に3人が使用を控えたいと回答しました。
【自由記述より】
・冷房はつけず、お風呂の残り湯を体を冷やすのに使う。濡らしたタオルを凍らせて体にかけて涼む。(兵庫県、30代、子ども2人)
・エアコンは極力使わずに扇風機。冷房ではなく、除湿+扇風機で暑さを凌ぐ。(沖縄県、30代、子ども2人)
「風呂やシャワーの回数」についても聞きました。「毎日」という回答は66%。3人に1人は「入らない日がある」ということになります。
【自由記述より】
・お風呂は月1回、シャワーは浴槽外で1週間半で1回。汗をかいていても母は我慢我慢。(静岡県、50代、子ども1人)
・シャワーは2人で5分以内。お風呂はもう数ヶ月も入っていない。(三重県、40代、子ども1人)
夏休み遊びに連れて行く予定「ない」47%
小中学生の子どもがいる家庭に聞きました。
「今年の夏休み、子どもを連れて遊びに行く予定がありますか?」
遊びに連れて行く予定はないが47%と約半数を占めました。この傾向は3年間ほぼ変わりません。

【自由記述より】
・夏休みでも金銭面に余裕がないわが家は子どもたちを何処へも連れて行けません。本心は旅行行きたいです。1泊で近場で全然いいんです。それすら叶わないわが家…生きてるのが嫌になります。(東京都、50代、子ども3人)
・夏休みといえど、子どもが友達と遊びに行くと言っても渡してやれるお金がないし、外食にも連れて行ってやれず我慢をさせなくてはならないのが情けない。(岡山県、40代、子ども2人)
「夏休みの子どもについて気がかりなこと」(複数回答)を聞きました。
子どもの体重が減ることが気がかり13%
「弁当や昼食の準備が大変なこと」が8割を占め、最多でしたが、「子どもの体重が減ること」が13%と昨年比2ポイント増えているのが気になります。

【自由記述より】
・娘と息子の体調が気になります。成長曲線をだいぶ下回る身長体重に申し訳ない思いばかりです。(東京都、40代、子ども2人)
・物価の高騰が続く中、育ちざかりの子どもの体重が減っているのも目に見えてわかります。(東京都、30代、子ども1人)
親の健康状態「よくない」48%
調査では親の健康状態について、国民生活基礎調査(2022年)の質問票を用いて聞いています。
「ここ数日、病気やけがなどで体の具合が悪いところがありますか」には63%が「ある」と回答しました。国民生活基礎調査の40代女性の「ある」は25.7%で、ひとり親は有意に高い比率であることがわかります。
健康状態は「よくない」9%、「あまりよくない」39%。
悩みやストレスが「ある」は96%で、国民生活基礎調査の20〜50代女性の比率(47%)の2倍です。悩みやストレスの原因(複数回答)では、「収入・家計・借金」を上げた人が最多で全体の83%を占め、こちらも国民生活基礎調査と比べ4倍の頻度となっています。
実現してほしいと思う支援策(複数回答)について聞いたところ、「児童扶養手当の増額」が最多。以下、「夏休みの子どもたちの食事の提供」「子どもの無料の学習支援」「児童扶養手当の所得制限を上げること」「児童扶養手当の現況届をオンラインでできるようにする」「夏休みの無料の子どもの遊び支援」「夏休みに子どもが安心して過ごせる場所」と続きました。
調査を受けてしんぐるまざあず・ふぉーらむの小森雅子理事長は提言を3点にまとめました。
- 一刻も早く現金給付(子ども1人5万円)を!
- 各自治体が主導し、米などの現物給付を!
- がんばると手取りが減る、ひとり親制度の見直しを!
「エネルギーの貧困」深刻 立教大・湯澤直美教授
8月5日にオンラインで報告会を開き、立教大学コミュニティ福祉学部の湯澤直美教授からコメントをいただきました。
湯澤教授は、年収が低い世帯の方が、エアコンの使用時間は短く、設定温度は高いという統計を引き、「多くのひとり親世帯がエネルギーの貧困の状態にある」と指摘しました。
「コロナ禍で生活苦に陥ったひとり親世帯が、その後の物価高で追い打ちをかけられ、大変な状況にある」とし、この長期の夏季休暇の支援を緊急課題とみて、児童扶養手当の拡充を求めました。
メディアの報道も
メディアでも報道されました。
・共同通信(8月4日配信)
夏休みひとり親世帯の子、「1日2食以下」41% 物価高の影響で
・教育新聞(8月5日配信)
ひとり親家庭を襲う酷暑とコメ高騰 1日2食以下、体重減少も
・文化放送「大竹まことのゴールデンラジオ」(8月5日放送)
ひとり親家庭の41%が夏休みに1日2食以下 大竹まこと「子ども食堂の主体は民間。行政が政策を」
【調査概要】
調査対象:全国のひとり親支援団体(*1)の会員(子ども20歳以下)
調査期間:2025年7月20日〜27日
調査方法:WEBアンケート方式
有効回答数:3913
*1……ひとり親サポート団体全国協議会に参加の以下の団体から協力を得た。
シンママ応援団、オカヤマビューティサミット、fleely、たねとしずく、えがおプロジェクト、シンママラボ、しんぐるまざあず・ふぉーらむ福岡、しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄、シングルマザーズシスターフッド、ひとり親パートナーズ、フルード、LiveQualityHub、しんぐるまざあず・ふぉーらむ神戸ウェスト、ひとり親とこどもふぉーらむ北海道、ひまわり、シングルマザー交流会松山
