ひとり親家庭の先輩、古市祐介さんのお話を聞く

ひとり親家庭出身の先輩、IT人材紹介業の古市祐介さん(44)のお話を聞く会が8月8日、東京都内で開かれました。多様なロールモデルに出会い、生き方の選択肢を増やしてほしいという思いで、SMF協力パートナーの薄井シンシアさんが企画しました。

しんぐるまざあず・ふぉーらむのメルマガで募集した中学3年生以上のお子さん15人とお母さん3人が参加しました。

古市さんは岡山県北部の山あいの小さな村の出身。幼いころに母親を亡くし、シングルファザーの家庭に育ちました。

高校生のころ、父親が病気になり、介護と妹の進学を優先するため、高卒で働きに出ました。地元のキャンプ場でアルバイトした後、23歳で上京し、リクルートの営業職に契約社員として雇用されました。

「キャンプ場出身、よくしゃべるなどの要素が面白いと思われたようです」

周囲は大卒ばかりで、最初は場違いに感じていましたが、「人間が苦労することって変わらない」と悟り、次第に馴染んでいったそうです。

高卒で働き続けると決めた時、「英語」「会計」「IT」のうちどれかを極めなければ、と思い、独学で「英語」を勉強しました。外国人とのシェアハウスに2年間住むなどで、日常会話から英語力をつけたといいます。

その力を生かし、建築会社やインターネットの営業職など転職を重ねました。26歳の時に「自分は仕事紹介業がやりたいのだ」とやっと定まりました。その後も外資系、日本企業、専門人材の紹介と3つの会社を経験しました。20年間で七つの会社に勤めたそうです。

子どもたちの質疑応答では「転職は怖くなかったですか」という質問もでました。

「挑戦に慣れることが大事。ちょっとした失敗はリカバリーできる」と古市さん。

よく言われる「好きなことを仕事にしよう」について、古市さんの考えはちょっと違うようです。

「お金も大切。自分は32、33歳まで家族のために働いていた。これからはAIがホワイトカラーの30〜40%を代替すると言われている。日々どんな仕事が残るのかな、と考えています」

10代のうちにやった方がいいこととして、「本を読むこと。自分とは関係ないと思っていることも学べる。東京に来て知識が生きた」と話しました。

【参加した子どもたちの声】

〇ひとり親家庭で生まれて社会で活躍する人の話を聴いて希望に感じた。いままで絶望することも多かったので、自分にも輝く未来があるかもしれないという可能性を感じた。

〇私は家庭の事情で、進学するか就職するか迷っていた。あきらめるのはまだ早いと実感するいい機会になった。ポジティブな気持ちになれてよかった。

〇自分は一浪して大学に入った。回り道の苦労を肯定された気がしました。何を学ぶかを決めていなくても学ぶ姿勢を大切にしようと思いました。