入学に必要なお金、高校46万円、大学120万円 物価高騰で高校制服代も1万4000円値上がり 新入学お祝い金2025報告会

しんぐるまざあず・ふぉーらむの新入学お祝い金2026のキックオフを前に11月26、27日に、2025年3月に給付を受けた方のアンケート報告会をオンラインで開きました。支援団体やメディア関係者など35人の参加がありました。

アンケートの回答者は保護者250人、子ども140人。

入学にかかった費用総額は中学が20万円、高校が46万円、専門学校が101万円、大学が120万円。

2025年度の就学援助は中学が6万3000円ですので、13万7000円の不足です。

高等学校等就学支援金(私立高校授業料無償化)は最大39万6000円ですが、これには入学に関する費用が含まれておらず、アンケート回答分の46万円がまるまる保護者負担となっています。

費目別(平均)では高校の制服等が前年比1万4000円増。物価高を反映し、中学の制服、学校指定の学用品なども前年より増えていました。

大学の学校納付金(入学金・授業料)は前年比10万円増。受験費用や引っ越しなどの金額が減っており、受験校数をしぼり、自宅から通える大学など条件を選んで受験していることが伺えます。

予定外の購入は4割が「あった」と回答。

具体的にはタブレット端末、ノートパソコン、電子辞書、学校指定のオーバーコート、柔道着、部活のユニフォームなど。「制服の中古利用が禁止だったので、新品を買わなければならなかった」という回答も複数ありました。

最も負担に感じたものは制服、タブレット端末など。

入学費用の準備には「食費などを節約する」「預貯金などを取り崩す」がそれぞれ6割超。「仕事を増やした」「親族からの援助」が2割台でした。民間団体の奨学金や給付金の利用が22%に対し、公的貸付は自治体・社協が8%、国の教育ローン3%と低調でした。

子どもに関する支援では「制服の費用負担軽減」(72%)、「教材費の費用負担軽減」(65%)、「通学交通費の補助」(42%)、「無料塾や習い事の支援」(38%)、「スマホなど通信費支援」(34%)、「給付型奨学金や授業料減免などの所得制限を挙げる」(33%)の順に多く、直接の負担減を求める声が高い傾向にありました。

学校の備品にして欲しいものが「ある」が76%。品目では「タブレット、PC」「部活で使う道具」が目立ちました。

預貯金については「ゼロ」が32%、100万円以上は14%にすぎず、貯蓄だけで入学資金を賄うのは難しい状況がわかりました。

入学費用捻出のため経済的理由で諦めたことでは「誕生日のお祝いやクリスマス」「友達との外出」が多く、子どもたちの身近な楽しみが犠牲になっていることがわかりました。

<自由記述より>

・卒業アルバムもなしにして、修学旅行も行かなかったので、返金あり。入学準備にあてることが出来たのはいいけど、子どもの気持ちを考えると複雑な心境です。(中学校)

・通学は電車の予定でしたが、本人の申し出により自転車通学を選択してくれました。女の子で心配でしたので、親としては定期券の購入を希望していましたが、家庭の事を考えてくれたようです(高校)

・子どもが3人とも進学の年でした。次女は制服代がかかると心配し、第2志望の、長女が卒業した高校を受験しました。次女には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです(高校)

・パソコンを購入するのを控えて後日購入を考えています。課題を自宅でできないため学校に行かなければならず、子どもに心苦しい。また地方のため、学校の実習の際、車での移動が必要になりますが、今は学校納付金がかかるため、自動車運転免許の取得は1年ほど後に、と考えています(専門学校)

「隠れ教育費」の研究をされている千葉工業大学の福嶋尚子先生にコメントをいただきました。

「文部科学省の調査以上に詳細な費用負担の状況がわかる」「就学援助や修学支援金等との比較がなされている」点について評価をいただきました。

しんぐるまざあず・ふぉーらむからの提言

  1. 物価高騰に見合う児童扶養手当の拡充
  2. 新入学の子どもを抱えるひとり親世帯への給付金を
  3. 小中学校の就学援助の拡充を
  4. 高校奨学給付金の支給時期を早め、増額を
  5. タブレット端末の公費負担の維持、自費負担への補助を
  6. 制服等のリユース、簡素化の促進
  7. 個人負担の学用品などを学校の備品に
  8. 大学や専門学校の入学金の二重払いについて改善を

<新入学お祝い金アンケート>

2025年3月に新入学お祝い金をお送りした465世帯を対象にメール添付で調査票を送り、5月に回収した。お祝い金の対象は、児童扶養手当全部支給世帯。

保護者250人、子ども140人から回答があった。

保護者の年収は200万円未満が9割。就業形態別ではパート・アルバイトが43.6%、契約社員、派遣社員が11.2%と過半数が非正規雇用。「就業していない」も17.6%いた。

メディア掲載

教育新聞に掲載されました。(2025年12月8日付)
「制服代や教材費が負担 ひとり親支援団体、学用品の備品化を提言」
https://www.kyobun.co.jp/article/2025120804