しんぐるまざあず・ふぉーらむ

オピニオン

未婚(非婚)のひとり親に寡婦控除を適用することの要望書

2018年12月3日

NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄

未婚(非婚)のひとり親に寡婦控除を適用することの要望書

要望の趣旨
所得税法2条1項30号のイ及び31号を改正し、婚姻歴のないひとり親家庭の母又は父について、所得税法81条1項(「寡婦(寡夫)控除」)の対象とするよう、要望します。
要望の理由
  • 1 同額の収入を得るひとり親家庭では、当然同額の所得税が課税されるべきところ、婚姻歴のないひとり親(以下「非婚のひとり親」という)に寡婦控除が適用されない現行の制度では、婚姻歴のあるひとり親と比較して高額の所得税を課税されている。これは婚姻歴の有無で差別的取り扱いを行うものであり、所得税の水平的公平性原則に反する。
  • 2 非婚のひとり親に適用のない現行の寡婦控除制度は憲法や子どもの権利条約に反する
     日本弁護士連合会は2012年12月20日付「寡婦控除における非婚母子に対する人権救済申立事件調査報告書」において、現行の寡婦控除制度の問題点を以下のとおり指摘した。
    • (1)まず、同様にひとり親家庭であるにも関わらず、非婚の場合寡婦控除が適用されず経済的格差が拡大し、その結果「非婚の母をもつ子」と「婚姻歴のある母をもつ子」を差別する結果となる。しかし、それぞれの子からするとその差別に合理性はない。そればかりか、ひとり親のなかでも「非婚の母」は最も経済的に困窮している(非婚母子世帯の平均収入は 婚姻歴のある母子世帯の平均収入より低い。)。 担税力の弱い者を保護するという寡婦控除の制度趣旨からすると、経済的に最も困窮し担税力の弱い非婚の母こそ保護されるべきであり、これを寡婦控除から除外し保護しないことは極めて不合理であって、憲法14条1項に反する。
    • (2)さらに、「非婚の母」に寡婦控除を認めないことは,基礎的な生活単位である家族生活に経済的不利益をもたらしその母と生活せざるを得ない子どもの成長・発達する権利を阻害害し、「非婚の母の子」に対する事実上の差別である。このような事実上の差別に対してなんらの措置もとらないことは,子どもの権利条約2条2項及び3条2項に反する。
  • 3 非婚のひとり親に寡婦控除を適用する際に、所得制限など新たな条件を設定すべきではない
     「非婚のひとり親」に限り寡婦控除の適用に所得制限を設けることは、合理的な理由のない新たな差別を生むばかりか、寡婦控除の適用されない家庭の子どもが高等学校等就学支援金や大学での奨学金制度の給付対象とならず、就学が困難になることが想定される。
     また、伝統的家庭観を守るために非婚のひとり親に限り寡婦控除に所得制限を設けるべきとの意見もある。しかし、このような差別に合理性が全くないばかりか、非婚のひとり親の多くが出産後に寡婦控除の問題を知ったと回答しているとおり、非婚のひとり親に限り所得制限を設けることは未婚出産を抑制することにはならず、むしろ非婚のひとり親の母子に不当かつ合理性のない負担を強いるに過ぎず、到底認められるべきではない。
  • 4 現代社会に残る差別的な制度は国が率先して解消するよう望みます
     非婚のひとり親家庭の母は、ひとり親になってから、寡婦控除制度から自分たち親子が除外されていることを知る。すでに社会や行政から受けている「差別」がさらに「法」によって補強されていることを知らされる。このような差別や税の負担により、社会生活全般において困窮、孤立しやすく、その影響は経済的な問題よりむしろ精神的側面である自己肯定感や自己尊重感に悪影響を与える。またその影響は母だけでなく、子にも影響する。国は法によって子どもを生きづらくさせるようなことはすべきでないし、そのような法が残存している場合は直ちに改正に着手すべきある。

投稿日:2018年12月11日

ホットライン電話相談

2018年版教育費サポートブック

クレジットカードで寄付ができるようになりました!

携帯サイトのご案内

よりそいホットライン
このページのトップへ